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生薬の解説

ボタンピ (牡丹皮)

観賞用として古くから知られている中国原産の落葉潅木である。本邦への渡来は聖武天皇の頃、僧空海が中国から持ち帰って全国数ヶ所に植えたといわれ、園芸品として拡がり、品種が多い。根皮を薬用とする。

生薬

  1. 基原

    ボタン Paeonia suffruticosa Andrews (Paeonia moutan Sims) (ボタン科 Paeoniaceae) の根皮を乾燥したもの。

  2. 産地

    中国 (安徽省、江蘇省、山東省 等)、日本 (奈良県 等)、韓国

  3. 生薬の性状

    本品は管状~半管状の皮片で,厚さ約0.5cm,長さ5~8cm,径0.8~1.5cmである.外面は暗褐色~紫褐色で,横に長い小楕円形の側根の跡と縦じわがあり,内面は淡灰褐色~帯紫褐色を呈し,平らである.折面はきめが粗い.内面及び折面にはしばしば白色の結晶を付着する.
    本品は特異なにおいがあり,味は僅かに辛くて苦い.

  4. 成分

    paeonol、paeonolide、paeonoside、paeoniflorin、oxypaeonlflorin誘導体、タンニンなど。

  5. 日局18規格値

    ペオノール0.9%以上
    純度試験(1) 重金属 10ppm以下
    (2) ヒ素 5ppm以下
    (3) 木部 木部5.0%以上を含まない
    (4) 異物 木部以外の異物1.0%以上を含まない
    (5) 総BHCの量及び総DDTの量 各々0.2ppm以下
    灰分6.0%以下
    酸不溶性灰分1.0%以下