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生薬の解説

マオウ (麻黄)

中国北部、中央アジアに自生する草本状の常緑小低木である。地上部の茎を薬用とする。草麻黄、中麻黄、木賊麻黄等の種類がある。

生薬

  1. 基原

    Ephedra sinica Stapf 草麻黄 (ソウマオウ,クサマオウ)
    Ephedra intermedia Schrenk et C.A. Meyer 中麻黄 (チュウマオウ)
    Ephedra equisetina Bunge 木賊麻黄 (モクゾクマオウ)
    (マオウ科 Ephedraceae) の地上茎を乾燥したもの。

  2. 産地

    中国 (内蒙古自治区、吉林省 等)
    日本国内の市場品は Ephedra sinica 草麻黄を基原とするものが主体である。

  3. 生薬の性状

    本品は細い円柱状~楕円柱状を呈し,径0.1~0.2cm,節間の長さ3~5cm,淡緑色~黄緑色である.外面に多数の平行する縦溝があり,節部には鱗片状の葉がある.葉は長さ0.2~0.4cm,淡褐色~褐色で,通例,対生し,その基部は合着して,筒状になっている.茎の横切面をルーペ視するとき,円形~楕円形で,周辺部は灰緑色~黄緑色を呈し,中心部は赤紫色の物質を充満するか又は中空である.節間部を折るとき,折面の周辺部は繊維性で,縦に裂けやすい.
    本品は僅かににおいがあり,味は渋くて僅かに苦く,やや麻痺性である.

  4. 成分

    主アルカロイド (-)-ephedrine、(+)-pseudoephedrine、ephedroxaneの他、副アルカロイドとして(-)-norephedrine、(-)-N-methylephedrine、(+)-N-methylpseudoephedrine、(+)-norpseudoephedrineなど。
    そのほかフラボノイド、タンニンなど。

  5. 日局18規格値

    総アルカロイド
    (エフェドリン及びプソイドエフェドリン)
    0.7%以上
    純度試験(1) 木質茎 本植物の木質茎5.0%以上を含まない
    (2) 異物 木質茎以外の異物1.0%以上を含まない
    乾燥減量12.5%以下(6時間)
    灰分11.0%以下
    酸不溶性灰分2.0%以下