121号 (第41巻 第1号)2024年5月
東洋医学を通した和の構築~病人さんに還る~
奈良県立医科大学大和漢方医学薬学センター 特任教授 三谷ファミリークリニック 院長 三谷 和男 |
2024年5月31日(金曜日)〜6月2日(日曜日)に大阪国際会議場で開催されます第74回日本東洋医学会学術総会の会頭を務めさせていただく三谷です。メインテーマは「東洋医学を通した和の構築」サブテーマを「病人さんに還る」としました。
今回のメインテーマの「和」は日本に古くから根づき、日本人に深く愛される概念です。しかし「和」は闘いや分断を前提として生まれた言葉でもあり、「和」の構築は難しく、人間社会には常に「和ならず」の状態があります。東洋医学の世界でも他者と相容れない故の非建設的な反論も見られます。今回私たちは、サイエンスを土台として互いの違いを受け入れ、ひとつの目標に向かって力を合わせることで「和」を構築できることを世に示す、これを学術総会の目標にしました。
サブテーマの「病人さん」は、私が指導を受けた父が来院される方に対して使っていた表現です。日本語の妙ですが「病人さん」には、診断名だけではなく、その人の人格・これまでの人生・いまの生活・こころのありようはどうかを全てを含みます。この意識が、漢方診療の哲学であり私たちの土台と考えています。私は、漢方医学の研修期間、病人さんの診察を通して病気(症状)の偶然性・必然性を知り、そのことが世の中をみる(知る)ことにつながることを学びました。孫思邈は、「備急千金方」の中で「上醫醫國,中醫醫人,下醫醫病」と述べていますが、私たちも少しでも「世を醫す」ことを目指したいと思います。
17世紀、哲学者・数学者であるデカルトが、人間の身体の中から普遍性・再現性のある「病気(症候)」を取り出し、その解決策を検討する手法を示したことにより、医学は飛躍的に進化しました。しかし、それが病人さんの治療全てに役に立っているのかを振り返りますと、まだまだ検討の余地があります。ゲシュタルト心理学は、全体を部分部分ごとに分析・再構築した場合と、最初から全体を観察して得られた知見とは異なる結果であると結論づけています。診療科が臓器別に細分化されている現代は、まさに人間を分析・再構築して問題を解決しようというプロセスです。
一方、病人さん全体を捉える眼を意識的にもち、西洋医学的な分析・問題解決の手法を駆使しつつ、病人さんの訴えを受けとめていくことが、漢方診療の基本的な姿勢です。病人さんを通して社会のありようを考えることがカギになります。
今回の学術総会は、現地開催とライブ配信を併せたハイブリット形式での開催としました。オンライン形式は、遠方からでも参加できるメリットがあり、コロナ禍で定着しましたが、私たちはやはり対面での聴講・意見交換に大きな学びがあると考えます。お忙しいとは思いますが、可能な限り会場に足を運んでいただけるとうれしいです。先生方が、直接顔を合わせ、言葉を交わすことで流れ合うものが必ずあります。私たちは、大阪で先生方のお越しをこころよりお待ちしています。
「取り組むべき課題の解決に向けて」
日本漢方生薬製剤協会 副会長 鈴木 一平 (小太郎漢方製薬株式会社 代表取締役社長) |
まずは、年明けに発生しました石川県能登半島の地震において、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました皆さまに衷心よりお見舞い申し上げます。一日も早く復興され、平穏な日々に戻られますことを心よりお祈り申し上げます。
さて、当協会では3月に開かれた第244回理事会にて、2024年度事業方針・事業計画が承認されました。2018年7月に策定した「漢方の将来ビジョン2040」の実行計画である「第1期5ヵ年アクションプラン」の進捗状況を踏まえ、今後の取り組みを取りまとめた中間報告で明確になった課題の解決に向けての計画となっております。特に「原料生薬の安定確保と漢方製剤等の安定供給」と「原料生薬から最終製品までの品質確保」を最重要課題として捉え、関係諸団体との連携をもとに協会一丸となり国内外の課題解決を図ります。
また医療用医薬品関連では、3月5日に令和6年薬価基準に関する官報告示が行われ、医療用漢方製剤117成分、生薬13成分、生薬製剤1成分が不採算品再算定の適用を、生薬73成分が平成30年度薬価制度改革より継続して基礎的医薬品の適用を受けました。厚労省、日薬連、中医協などの関係各位のご尽力に、心から感謝と御礼を申し上げるとともに、今後も漢方製剤・生薬・生薬製剤の安定供給に向けた取り組みを強化してまいります。
コンプライアンス関連では、2023年10月25日付で日薬連から「法令遵守体制の維持・向上に関する取組について」が発出され、法令遵守体制の整備・向上とともに責任役員を含む経営層を対象とした教育訓練の機会を設けることや相談できる窓口設置等企業ガバナンスの維持、向上のための取り組みが求められています。また、令和5年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)「医薬品製造業者等における品質問題事案の発生予防及び品質の継続的な維持向上に向けた調査研究」では、昨今の医薬品製造業者等における品質問題事案に対して、問題発見・解決力の向上、品質リスク情報の官民共有のあり方、委受託業務における適正な管理、デジタル技術の活用等事案の予防に向けた取り組み等について調査研究を行うなど、外部環境が厳しくなっております。今後も会員会社におけるコンプライアンス体制、品質管理・安全管理体制がさらに整備されるよう情報の共有化を進めてまいります。
2月19日には「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会2023」が「コロナ後の医療における課題と漢方薬の必要性」をテーマとして開催されました。本研究会は日本東洋医学会と当協会の共催により2016年より毎年開催しているものです。研究会終了後、参加された世話人・委員の先生から「年々、議論が深まっている気がします」「いろんな立場の方々が集まり意見交換するこの会の存在感はとても大きい」「エビデンスの集積ですね、改めて感じました」「漢方薬の将来性や発展性について大いに実感した」などの漢方薬への期待を示していただいております。
関係各位の皆様には、当協会の活動にご理解を賜り、引き続きご支援ご指導頂けますよう、重ねてお願い申し上げます。
医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 長谷川 久(株式会社ツムラ)
- 医療用漢方製剤委員会
- 流通適正化部会
- 教育研修部会
- 有用性研究部会
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日本東洋医学会EBM委員会協力作業
1)EBM委員会のウェブサイトについて、オブザーバーの津谷先生からの改善案があり、オンライン会議にて討議した結果、以下の通り変更した。
①EBM委員会の説明文を修正した。
②サイトのレイアウトを改善し、言語ごとにエビデンスレポートを横に並べた。
③韓国語版へのリンク設定を変更し、レイアウトを改善した。
④STORKについての説明を追加した。
⑤関連資料として、元雄先生による20周年論文を2021年の最新動向としてオープンアクセス化し、掲載した。
(参考)EBM委員会ウェブサイト:漢方専門医認定機関、日本東洋医学会 | 漢方とエビデンス 関連資料(jsom.or.jp)
上記の変更以外の個所については6月開催のEBM委員会で討議予定。
2)「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)」と「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG)」については、いずれもAppendix2023 updateの公開に向けて作業を続けている。KCPGは、5月末までにウェブサイトへの掲載を目指しており、EKATは5月末にSAのドラフトが完成予定である。
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医療用漢方製剤添付文書情報の更新
現在ホームページに公開している「医療用漢方製剤 2022―148処方の添付文書情報―」の2024年度調査(更新)にあたり、今回は新記載要領への変更など、改訂が多いため、委員長と相談のうえ、部会メンバー以外の協力メンバーを募った。調査は4月22日から開始し、6月末までを予定している。
1月31日に委員会を開催し、日漢協第242回・第243回理事会審議・報告事項について説明した。
2024年度事業方針(案)・事業計画(案)、2023年度経費見込、2024年度経費予算(案)、5ヵ年アクションプラン中間報告、2023年度事業報告について説明し、了承された。
部会(流通適正化、教育研修、有用性研究)および関係委員会等(コード、保険薬価、提言実現)の活動について、部会長・委員長より報告いただき情報共有した。
メンバーの入会・退会(4月1日付)
①入会:石塚真一氏(小太郎漢方製薬)、長野正義氏(ツムラ)
②退会:松本良三氏(小太郎漢方製薬)
4月15日に部会を開催し、次の内容を部会員へ共有した。
3月1日に改訂された流通改善ガイドラインの内容を共有した。臨床研究法改定と3月26日に開催された製薬協透明性ガイドライン窓口責任者会の内容について共有した。会員会社の透明性ガイドラインの公開状況を確認した。2023年12月から2024年3月にかけて公正取引協議会から発出された通知文の内容を共有した。
日薬連流通問題連絡会より2024年物流問題について説明会が実施され、各業界団体で自主行動計画を策定して欲しいとのことであったが、当協会は流通事情の異なる医療用医薬品と一般用医薬品が混在する業界団体なので、他団体の作成を確認の上別途作成するか否かを検討している。
教育研修部会の研修会開催(2月26日、16時~17時)
①演題:「国内生薬生産拡大に関する日漢協の取り組み」
②内容:・なぜ拡大に取り組んだのか
・これまでの成果
・これからの取り組みについて
③講師:小柳 裕和 氏(日漢協生薬委員会生薬国内生産検討班長、ツムラ生薬業務部)
④参加者:計31名
⑤当日アンケート結果内容要旨
▶今回の研修は御社の今後の業務に参考になりそうでしょうか?
回答者20名:はい(15名)、いいえ(0名)、どちらとも言えない(5名)
※回答者75%がはいと回答
▶具体的にはどのような業務の参考になりそうでしょうか?
・国産生薬の状況について問合せ対応の参考になった
・日本における生薬栽培の現状について知識を更新することができた
▶その他ご意見
・生薬の国内調達先又は調達量が増えることで、原料供給のラインが増える可能性を察した
・農家さんまたは地域を通じて漢方薬への関心が高まる可能性を感じた
・限りある資源を有意義に使う意識付けになった
生薬会議
生薬委員会 委員長 山本 豊(株式会社栃本天海堂)
- 令和6年度 茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業について
- 第8回原料生薬使用量等調査について
令和6年度の茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業が採択された。これを受けて「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」などの準備に着手する。
第8回調査の対象は2021年度(2021年4月~2022年3月)と2022年度(2022年4月~2023年3月)である。事務局での集計、生薬流通部会での15年間を通した確認にて疑義が生じた品目や数量の事務局による個別確認が完了した。現在、生薬学雑誌への投稿用原稿の作成に着手しているところである。
最終確認にて一部修正が必要となる場合があるので、現時点では仮ではあるが、2021年度の総使用量は29,392t、2022年度は33,829tでそれぞれ調査対象期間(2008~2022年度の15年間)の最高使用量を更新し、2022年度は、調査開始時(2008年度:20,763t)の約1.6倍になっている。2022年度の使用量を産地別にみると中国産(27,065t)と他国産(日本産と中国産以外;3,853t)は、ともに調査対象期間の最高で、日本産(2,911t)は15年間で3番目に多い使用量となっている。比率としては、中国産が80.0%で2017年度から2021年度まで5年間続いた82%以上から少し落ちて、他国産(11.4%)の比率が上がっている。
一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 高橋 隆二(クラシエ薬品株式会社)
- 一般用漢方製剤委員会
- 処方部会
- 適正使用推進部会
1月24日に幹事会を、3月5日に2023年度第4回委員会を開催し、次年度事業方針、事業計画、予算、5ヵ年アクションプラン中間報告につき確認を行うとともに、第243回理事会報告、各部会活動報告、各種プロジェクト報告等の情報共有を行った。
12月13日に開催された第26回市民公開漢方セミナーにおいて、会員会社より講演内容にあわせストレス関連の漢方製剤24商品、その他漢方製剤16商品の空箱を提供いただき、漢方処方(葛根湯・八味地黄丸)のパネルとともに展示し、漢方の普及活動を行った。
1月24日および3月4日に部会を開催した。一般用漢方製剤承認基準への追加候補39処方につき、委員会内で開発意向に関するアンケートを実施し、アンケート結果をまとめるとともに、新たに追加希望のあった4処方の情報を加え、今後も継続検討する。
1月16日および4月9日に部会を開催した。
確認票の変更レイアウト案を複数作成し、部会としての候補案を決定した。確認票のメンテナンスとあわせ確認票を掲載しているWebページの改修内容の検討も実施した。また、部会にて第295回、第296回広告審査会ヒアリング結果の共有と意見交換を行い、委員会内への情報発信を行った。
生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)
幹事会を2月2日に、委員会および制度研究部会と製剤開発部会の合同部会を3月25日に開催し、当委員会としての5ヵ年アクションプランの中間報告案、2023年度の事業報告案、2024年度の事業方針案や事業計画案等について調整した。
2月に経済産業省 ヘルスケア産業課が発表した「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」において、女性特有の健康課題による年間の経済損失は、約3.4兆円と推計されている。当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)の利活用が推進されるよう、環境整備に向けて検討を進めていく。
次の検討テーマとして生薬主薬保健薬(ニンジン主薬製剤)の範囲拡大の可能性について検討しており、制度研究部会と製剤開発部会の両部会で、古典や解説書等におけるニンジンの主治、薬能について収集しつつ、臨床文献等と合わせて整理を進め、一般用医薬品等の承認基準や健康食品等も参考にしながら現代的な効能への読み替えの可能性について検討している。
セルフメディケーション税制について、2022年1月から税制が5年間延長され、対象品目がスイッチ成分配合品から、マオウ、ジリュウ、ナンテンジツを配合した漢方生薬製剤を含めた一部の非スイッチ成分配合品にも拡大しており、3月15日に発布された日漢協総務委員会による「漢方製剤等の生産動態」によると、OTC 医薬品(要指導医薬品+一般用医薬品)の生産金額に占めるセルフメディケーション税制対象OTC 医薬品の割合は、2021年の18.5%から、2022年は42.0%に拡大している。2022年の一般用漢方製剤の生産金額に占める税制対象一般用漢方製剤の割合は、42.8%である。
第26回 市民公開漢方セミナー(12月13日/日暮里サニーホール)において、会場ロビーに当委員会として会員会社16社の一般用漢方生薬製剤87製品のパッケージを展示して漢方生薬製剤の利活用領域を紹介、ご来場の皆様に興味を持って見ていただいた。
原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)
2024年4月24日に2024年度原薬エキス会議と本年度第1回原薬エキス委員会を大阪にて開催した。会議では本年度事業計画、昨年度の事業報告、日局や局外生規の進捗状況などについて共有化した。また委員会では、局外生規2026新規収載センナエキスの製法、成分含量データ等について検討した。
- 漢方処方エキスの日局収載
- 局外生規2026
辛夷清肺湯エキスが18局第二追補(2024年4月告示予定)で収載される。
3月の生薬等(B)委員会で麻子仁丸エキスの収載案が了承され、現在業界団体でデータ取りが行われている。本品は19局(2026年4月告示予定)で収載される。
現在「漢方処方エキス班」では、人参養栄湯エキスおよび麻黄附子細辛湯エキスの収載案が検討されている。
本年4月3日に局外生規2026第8回作成WG(座長:伊藤生薬部長)が開催された。
日局アカメガシワの確認試験が改正されるが、それに伴って局外生規アカメガシワエキスについても追試するよう要請があり、当委員会で追試した結果、特に問題なかった旨報告した。次回の「局外生規に関する検討連絡会議」(事務局:医薬品審査管理課)で報告することとされた。
新規収載センナエキスの定量法に関しては、空間再現精度試験を当委員会参加会社4社で実施した結果、良好であったことを報告した。含量規格のデータ取りに進むこととされ、現在当委員会でデータ収集中である。またセンナエキスの製法に関しては、別途4月に国立衛研と打合せを行って収載案がまとめられ、次回作成WGで提案することとなった。
国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョンプロジェクト
プロジェクトリーダー 味岡 賢士(株式会社ツムラ)
プロジェクト会議を1月23日(火)、2月27日(火)、4月23日(火)に行った。
2月19日(月)「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会2023」(日本東洋医学会共催)が「コロナ禍における漢方薬の役割 ポストコロナを見据えて」をテーマとし、開催された。講演では研究会提言の進捗やフレイルについての発表があり、ディスカッションでは研究会メンバーからの活発な質問・意見等をいただいた。聴講者は会場およびWeb より合計213名の方にご参加いただいた。
提言実現プロジェクト会議は1月24日(水)、2月28日(水)にWeb会議を開催した。2024年度日漢協医療経済学的研究に係る研究助成の選定を行い、3テーマを採択した。
4月17日(水)~19日(金)開催のCPHI Japan2024(国際医薬品開発展)に漢方薬に関する出展を行った。
総務委員会
委員長 永野 聡(株式会社ツムラ)
- 事業計画に関する事項
- 協会活動の効率的運営に関する事項
- コンプライアンスに関する事項
- 漢方製剤等の生産動態に関する事項
1)「2024年度事業計画の策定にあたって(案)」が第88回正副会長会で承認された。
2)日漢協「2024年度事業方針(案)および事業計画(案)」が第89回正副会長会、第244回理事会で承認された。
3)各組織から提出された2023年度事業報告(案)を取り纏めた。
第166回委員長会において業務分掌の確認をお願いし、見直しの必要がないことを確認した。
2024年3月15日(金)の第244回理事会後に①松浦薬業(株)代表取締役社長、松永祥吾様より「松浦薬業の品質改善の取り組み」について、②栗田薬制委員長、高杉技術委員長より「日漢協の品質管理、安全管理の向上に関する取り組み」についてコンプライアンス研修会を開催した。参加会員会社数52社、参加人数224名であった。研修後のアンケート結果を受けて、会員会社のコンプライアンス体制強化に繋がる具体的な取り組みを検討した。
2022年薬事工業生産動態統計年報から「漢方製剤等の生産金額」の冊子を作成し、第244回理事会後に日漢協ホームページに掲載した。
広報委員会
委員長 北村 誠(株式会社ツムラ)
- 第26回市民公開漢方セミナー(協会創立40周年記念)の小冊子について
- 第27回市民公開漢方セミナーについて
- 2024年市民公開講座(6月2日開催、日本東洋医学会との共催)について
- 2月19日開催の「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会2023」における記者会見について
- 取材対応および記事掲載について
- 広報委員会開催について
昨年12月13日に開催された標記セミナーの小冊子が完成した(右上)。
現在、協会ホームページで公開されている動画視聴とともに、本冊子の有効活用を図る。
現在、以下の概要で開催に向け準備を進めている。
(1)日程:11月27日(水)
(2)時間:18:30~20:00
(3)会場:文京シビック小ホール(文京区)
(4)講師:堀場 裕子先生(慶応大学医学部漢方医学センター医局長)
(5)演題:「 あなたの不調に寄り添える漢方薬」
~日常にありがちなイライラ、不安、不眠、めまい、頭痛、疲労感、冷え症など~
(6)開催形態:会場開催かつ収録映像事後公開
(1)案内用チラシおよびポスター(次頁)が完成した。協会ホームページ上にPDFを掲載する等、広く告知する。
(2)当日は、日漢協からの協力として、資料の袋詰め、受付対応、会場への誘導等、事務局および広報委員にて対応する。
下記の報道関係にご参加いただき、記者会見の取り回しを行った。
(*は記事化)
朝日新聞からサンショウの需給状況等に関する取材依頼があり、生薬委員長、生薬国内生産検討班長、広報委員が対応。3月26日(火)付 朝日新聞全国版「多事奏論」において記事化された。
(1)1月22日(月)ハイブリッド開催
1)第26回市民公開漢方セミナーの振り返り
2)第27回市民公開漢方セミナー企画の方向性についての共有
(2)2月20日(火)ハイブリッド開催
1)第74回市民公開講座の進捗についての情報共有
2)第27回市民公開漢方セミナーの企画(上記2.の内容)について
国際委員会
委員長 小柳 裕和(株式会社ツムラ)
前列右端が周会長 その隣が羅副会長
前列左から宮嶋理事長(日薬連)
益田担当部長(OTC 協会)、小柳委員長(日漢協)
國枝理事長(関薬協)
2024年4月17日(水)から19日(金)までの3日間にわたり、東京ビッグサイト(江東区)において、創薬から製造までのサプライチェーンをカバーする国際医薬品開発展であるCPHI Japan 2024(インファーママーケッツジャパン(株)主催)が開催された。
これに併せて中国医保商会が組織した「日中医薬産業赴日韓合作発展交流団」が訪日し、日薬連参加の業界との意見交換を行った。
日 時:4 月19日(金)10:00~12:00
名 称:「Japan-China Healthcare Delegation」
参加者:
日本側:日本製薬団体連合会(7名)、関西医薬品協会(1名)、日本OTC医薬品協会(1名)、日本ジェネリック製薬協会(1名)、日本漢方生薬製剤協会(6名)の合計16名が出席した。
中国側:中国医保商会 会長 周 惠氏
中国医保商会 副会長 羅 楊氏
中国製薬関連企業 30数社
当日概要
日本側からは①日本製薬団体連合会、②関西医薬品協会、③日本OTC 医薬品協会、④日本漢方生薬製剤協会の4団体から各組織の概要についての説明を行った。
中国参加者からは、自社のPRなどの発言の他、OTCに関する意見交換が行われた。
特に中医薬関連の企業から、新規漢方製剤の日本の製造承認の申請の有無についての状況についての質問があり、日本への進出への興味の高さが窺えた。
薬制委員会
委員長 栗田 宏一(クラシエ薬品株式会社)
薬事制度に関する事項、漢方・生薬製剤の関連法規及び関係通知の調査研究、関係行政機関及び諸団体との連絡並びに意見具申を基本に活動している。
- 日漢協コンプライアンス研修会
- 医薬品製造業者及び製造販売業者に関する実態調査について
3月15日理事会終了後にコンプライアンス研修会が開催された。「松浦薬業の品質改善の取り組み」に続いて薬制委員会から「日漢協の品質管理、安全管理の向上に関する取組み」について報告した。法令遵守体制の維持・向上に関する取組について各社での法令遵守体制の整備・向上とともに各業界団体での総会、理事会等の場を利用し、責任役員を含む経営層を対象とした教育訓練の機会を設けることや法令等や社内規程の内容や適用等について相談できる窓口を設置等、加盟各社の企業ガバナンスの維持、向上のための取組が求められている。日漢協では定期的に理事会後にコンプライアンス研修会を実施している。
2024年2月15日付け日薬連発第96号「医薬品製造業者及び製造販売業者に関する実態調査について(依頼)」が発出された。令和5年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)「医薬品製造業者等における品質問題事案の発生予防及び品質の継続的な維持向上に向けた調査研究」研究班(代表研究者 蛭田 修、熊本保健科学大学特命教授)では、昨今の医薬品製造業者等における品質問題事案に対して、問題発見・解決力の向上、品質リスク情報の官民共有のあり方、委受託業務における適正な管理、デジタル技術の活用等、事案の対処に留まらず発生の予防に向けた取組み等について調査研究を行っている。今般、班研究において医薬品製造業者等の品質問題事案に関連する具体的な課題を明確化し、その対応策を検討するにあたり、必要な情報を収集することを目的として、実態調査のためのアンケートを実施することとされ、日薬連の傘下各団体に協力依頼があった。
技術委員会
委員長 高杉 泰弘(株式会社ツムラ)
2024年3月5日に2023年度第6回、2024年4月16日に2024年度第1回の委員会を開催した。局方や局外生規関連をはじめとする各部会の活動進捗や日薬連品質常任委員会を通した規制当局の動きについての共有化、委員より寄せられた提言事項に対する議論を行った。
- 日局関連
- 不純物関連
- GMP関連
日局19への収載に向け、人参養栄湯エキス、麻黄附子細辛湯エキスの試験法について継続して検討している。
麻子仁丸エキスの試験法について生薬等委員会にて承認が得られたことから、実測値データの収集を開始している。
残留農薬および重金属に関して実施したアンケートについて集計を行っている。また、残留農薬は『漢方生薬製剤の残留農薬に関する自主基準Q&A 集』の記載整備について、内容の確認を実施中である。
技術品質部会主催でPQSワークショップを2024年1月26日に全国家電会館で開催した。10社16名の参加者および技術品質部会員8名で品質テーマに基づいたグループディスカッションを行った。
安全性委員会
委員長 香取 征典(株式会社ツムラ)
●医療用医薬品添付文書新記載要領対応
製造販売業者ごとに各品目の新記載要領に基づいた電子添文の作成・届け出・公開対応が2024年3月末の猶予期間終了となり、日薬連を通じ、漢方・生薬製剤品目においては問題なく対応を完了した事の報告を受けている。
2024年度からは、「使用上の注意」記載内容が確定となった内容について、医療用漢方製剤を対象とした業界統一冊子の20年ぶりとなる改訂作業に着手していく予定である。
安全性委員会にて次年度の作業スケジュール案を提示し、まずは改訂版冊子への掲載事項等となる改訂履歴の整理・関連通知の収集を実施しながら変更骨子を検討し、新記載対応WGメンバーを中心とした作業を開始していく。改訂版については、新記載要領対応版としてより分かりやすい掲載内容を目指した対応を進めていきたい。
コード委員会
委員長 松塚 泰之(クラシエ薬品株式会社)
3月28日に委員会を開催し、①販売情報提供活動体制整備状況の調査結果の報告②3月18日開催された製薬協販売情報提供活動ガイドラインQ&A(その4)の説明会の内容についての共有③2024年度事業計画と予算並びに2023年度活動報告の確認④製品情報概要審査部会から2023年度審査結果の報告⑤委員会マター外であるが臨床研究法改定と製薬協透明性ガイドライン窓口責任者会の内容について共有を行なった。『審査会レポートNO.12』 と『医療用漢方製剤・生薬製品情報概要等作成上の留意点』の作成を行なった。当委員会と製品情報概要審査部会では、4月に厚生労働省監麻課広告指導官へ審査結果報告を行った。
保険薬価委員会
委員長 坂上 誠(株式会社ツムラ)
保険薬価委員会は、1月16日、2月13日、3月12日、4月9日、5月7日に会議を開催した。
次期薬価改定へ向け、医療用漢方製剤等の基礎的医薬品・不採算品再算定・最低薬価について議論し、今後の進め方について協議した。
3月5日に薬価基準の官報告示(2024年4月1日実施)があり、医療用漢方製剤等において特例的な不採算品再算定の実施がなされた。基礎的医薬品については2018年度薬価改定において適用された生薬62成分が継続された。
また、2024年度薬価改定に伴い薬価変遷表の更新を行った。
私の健康法 ジャーナリスト 鈴木 哲夫 さん
大病が健康を教えてくれた…
「ここ2、3年、漢方薬と縁ができ、風邪を引いたり、お腹を壊す
と、主治医が漢方を処方してくれます。一人一人の体に合わせて
治すという考え方が気に入っています」
●東奔西走の日々
月曜日は東京のMXテレビ、火曜日は名古屋の東海テレビ、水曜日は大阪の関西テレビ、木曜日は福岡の西日本テレビなど、週に4日、ジャーナリストの傍らコメンテーターの役で上記の4つの都市のテレビ局を行き来し、正しく東奔西走の日々を送っている。テレビの他にラジオ(福岡のRKBラジオ、横浜のラジオ日本)でもコメンテーターを勤めると共に、上方漫才の西川のりおが運営するユーチューブ「のりおくんチャンネル 俺にも言わせろ」に出演、絶妙なトークの掛け合いが人気を呼んでいる。
ジャーナリストとしての歩みは、1982年(昭和57年)、福岡のテレビ西日本報道部記者から始まった。1991年の長崎雲仙普賢岳噴火など数々の取材経験を積み、1992年にフジテレビに出向。自民竹下派の七奉行と称された梶山静六や小渕恵三、橋本龍太郎両元首相の番記者を務めた後、1994年テレビ西日本へ戻り、福岡県警記者クラブキャップに就く。
その1年後、「これからはビデオジャーナリストの時代になる」との思いから東京MX テレビの立上げメンバーになり、活動の場を東京に移した。そして2001年に日本BS 放送の立上げに加わり、2013年に独立、フリーとなって現在に至っている。
●へそ曲がりを自認
福岡における若き日の記者時代は文字通り“ 夜討ち朝駆け”、この言葉とともにあった。「昼夜逆転でした。特に警察回りの時は12時か1時頃、お巡りさんが帰るのを家の前で待って話を聞く。時には家に上げてもらい酒を飲みながらの日もありました。それから2時か3時に社に戻り、腹が減った、と4時頃に博多ラーメンを食べてから帰宅して2、3時間一休みし、朝になったら再び警察官の家に出かける。そんな過ごし方をしていましたが、気も張り、辛いとは感じませんでしたね」
大学では運動部出身(体育会のテニス部)で、体力には自信があったとはいえ、不規則、不摂生、休みなし、食事無茶苦茶、食っちゃ寝、甘いもの、辛いもの、ご飯や麺類の炭水化物など体に良くないもの大好き、間食、ヘビースモーカー(1日60本)、…、こうした生活が身体に影響を及ぼしたのは40代前半の時、血糖値が400になり、糖尿病と診断された。体重は96㎏だった。
「生来、へそ曲がりで、仕事の面でも人が右を向っていたら左へ行く、白と言えば黒と言う。健康においてもその嫌いがありましたが、薬と食事療法により1年半で体重は20㎏減り、数値も元に戻りました」
しかしながら、その後も仕事が趣味といういわば業の所為か、2011年3月に大腸がん、2013年に狭心症に罹り、2018年には脊柱管狭窄症を患い、歩けなくなった。しかし、運よく手術をせずに半年で治癒している。
それを機に” 禍を転じて福と為す” とすべく健康管理に細心の注意を払い、毎日、同じ条件で体重計に乗るのを筆頭に、体温、血圧を測り、鼻から吸って口から出す呼吸法を実践している。血液検査も2、3ヶ月ごとに欠かさずに行い、炭水化物の摂り過ぎを防ぐため、ご飯は食べきらず、残すことを心がけている。
終活の一環で取り組んでいるのがライフワークである防災、近々、講談社から刊行の予定となっている。
プロフィール
1958年(昭和33)福岡県生まれ。福岡県立小倉高校、早稲田大学法学部卒業後、82年テレビ西日本報道部記者。
92年フジテレビ報道センター政治部出向、94年テレビ西日本報道部 福岡県警記者クラブキャップ、95年東京MXテレビ 東京ニュースセンター編集長、01年朝日ニュースター報道制作本部 報道制作部長、07年日本BS 放送(BS11)執行役員・報道局長