120号 (第40巻 第3号)2024年1月
新年の御挨拶
厚生労働省 医薬局 局長 城 克文 |
明けましておめでとうございます。
年頭に当たり、本年の医薬品・医療機器等行政を展望し、所感を申し述べます。
近年、我が国は世界的にも類を見ない速さで高齢化が進行しており、今後は個人の健康増進に寄与するとともに、医療現場における業務効率化の促進、より効率的・効果的な医療等各種サービスの提供が求められています。
昨年一月からは、医療DXの一環として、全国で電子処方箋の運用を開始し、他の医療機関・薬局間で処方・調剤された薬剤でも、リアルタイムでの閲覧や重複投薬等チェックが可能となりました。今後も、できる限り多くの医療機関、薬局に導入いただけるよう努めてまいります。
医薬品の販売制度については、昨年二月から「医薬品の販売制度に関する検討会」を開催し、濫用等のおそれのある医薬品の適正な販売のための方策や、デジタル技術を活用した医薬品販売業のあり方等について議論いただきました。これを踏まえ、医薬品の安全かつ適正な使用を確保しつつ、国民の皆様の医薬品へのアクセスが向上するよう、必要な制度の見直し等に向けて検討を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症対策については、昨年十一月に国内企業が開発に成功した新型コロナワクチンの薬事承認を行い、翌月からは各自治体で接種が開始されました。今後も次の感染症危機を見据え、引き続き必要な支援を行ってまいります。
近年、海外で承認されている医薬品が日本では開発に着手すらされない、いわゆる「ドラッグ・ロス」が拡大していると指摘されています。昨年七月から開催している「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」において、年度末のとりまとめに向けて、薬事制度上の課題について議論を進めてまいります。
医療機器については、近年、医師から処方されたアプリを患者が自分のスマートフォン等にインストールして使用する治療用アプリなど、プログラム医療機器の開発及び実用化が進んでいます。プログラム医療機器には開発や市販後のアップデートのサイクルが非常に短い特性があり、その特性も踏まえた薬事承認制度の運用のあり方について検討してまいります。
昨年の臨時国会で「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」が成立し、大麻から製造された医薬品の施用を可能にするとともに、大麻等を麻薬として規制し、不正な施用に対する罰則を適用することとなりました。引き続き関係省庁と連携しながら、同法の円滑な施行に向けた準備を進めてまいります。
また、いわゆる大麻グミと称した製品による健康被害の発生を受け、今後、類似化合物の出現傾向を踏まえて包括指定等の対応を行うともに、引き続き広報活動等による注意喚起を行ってまいります。
加えて、近年、医薬品の製造過程における品質問題に端を発した医薬品の安定供給確保が問題となっています。国民の皆様や医療現場に対する信頼確保に一層努めるべく、都道府県の薬事監視の質的な向上を図るとともに、国と都道府県の連携体制の強化等を推進してまいります。
薬害の被害者の方々への救済に関しては、被害者やそのご家族の高齢化に伴う諸課題への対応や、C型肝炎救済特別措置法の改正を踏まえた被投与者への告知等の対応に取り組み、被害者の方々の適切な救済を着実に進めてまいります。
血液事業については、血液法に基づく基本方針の見直しを進めており、引き続き、血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保に向けて取り組んでまいります。
本年は、令和元年改正薬機法の検討規定も踏まえ、次期薬事制度改正に向けた議論を本格化していく予定です。今後も、医薬品・医療機器等行政の重責を常に胸に刻みつつ、関係者の皆様と率直な意見交換等を行いながら、より良い医療、より良い国民生活の実現に向けて取り組んでまいります。
医薬品・医療機器等行政に対する一層の御理解と御協力をお願い申し上げますとともに、本年の皆様のますますの御発展と御多幸をお祈りいたしまして、新年の御挨拶といたします。
新年にあたって
日本漢方生薬製剤協会 会長 加藤 照和 |
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は皆さまからご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
まずは、新年早々に発生しました能登半島地震において、お亡くなりになられた方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族には衷心よりお悔み申し上げます。また、被災されました全ての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
振り返りますと、この3年あまり、日本全国はコロナ禍という大変な試練を経験し、5類には移行したものの、依然予断を許さない状況が続いております。
そのような苦境の中、日本東洋医学会主導の研究等により、漢方製剤が新型コロナウイルス感染症による重症化抑制および後遺症治療に対して有用であるというエビデンスが発信される等、漢方製剤等の新たな可能性が見いだされました。
また、医療用漢方製剤における剤型追加について、昨年5月の当協会創立40周年記念講演会において国立医薬品食品衛生研究所・名誉所長の合田幸広先生が、より服用しやすい剤型の追加への期待について熱く語られました。当協会としても、患者様に寄り添うという観点から、剤型追加についてはぜひとも成し遂げたいとの思いを新たにしております。
このように、漢方製剤等に新たな展開が期待される中、本年も協会として、あらためて高品質な漢方製剤・生薬製剤を継続的に安定供給し、さらなる安全性の確保と適正使用の推進により、国民の皆様の健康と医療に貢献してまいる所存でございます。
まず、原料生薬の調達については、全体の8割超を依存する中国との良好な関係を維持するため、これまで中国商務部傘下の中国医保商会と交流を続けておりましたが、コロナ禍や渡航規制等の影響により、2019年の訪日以降、交流がかなっておりません。
今後は、その時期やテーマを具体的に設定し、早期に先方との再会を果たしたいと存じます。
一方、国内における生薬栽培に関しては、薬用作物産地支援協議会の主催で農林水産省、厚生労働省などのご支援のもと、国内生産の推進・拡大に向けた取り組みを継続して実施しております。
昨年は新たな取り組みとして、種苗の供給を開始し、カノコソウの提供を行いましたが、本年は新たにシャクヤクに取り組む予定です。シャクヤクは原料生薬として極めて汎用性が高く、国内生産の加速化につながる可能性が期待されます。
医療用漢方製剤等の薬価については、今般、中医協において取りまとめられた「令和6年度薬価改定の骨子」において、わが国の医薬品産業の競争力向上を目指す力強い支援をいただき、不採算品再算定の柔軟かつ確実な適用といった価格を下支えする措置の充実化が図られました。
これを機にさらに安定供給体制を強固なものとしてまいる所存であります。厚労省、日薬連、中医協などの関係各位のご尽力に、心から感謝と御礼を申し上げます。
漢方が国民医療にどのように貢献すべきか、またその課題は何かについては、「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」を毎年開催しております。本年度は、2月19日に開催し、「コロナ後の医療における課題と漢方薬の必要性」をテーマに、社会的フレイルの増加等に対する漢方薬の必要性および提言の進捗状況や漢方製剤等を取り巻く課題についてご発表ならびにご討議いただきます。
一般用漢方生薬製剤の利活用推進については、2022年からセルフメディケーション税制が改正、2026年まで延長され、対象品目数および利用者数は増加しております。
今後も、多様化する生活者のニーズに応じて一般用漢方生薬製剤によるセルフメディケーションが推進されるよう、税制の恒久化や全ての一般用漢方生薬製剤を対象とすること等を要望してまいります。
さらに、女性の心と身体の健康課題への対応として、トウキやセンキュウ等の生薬を配合した一般用漢方生薬製剤はフェムテックとしての利活用が期待されており、関係官庁や業界団体等との連携により啓発活動を進めてまいります。
漢方製剤の安定供給については、コロナ禍における各症状への治療薬が不足する中、当該漢方処方への大きな需要が発生したことで、限定出荷や欠品など安定供給に支障をきたす事態が発生し、ご迷惑をお掛けしておりますこと、あらためましてお詫び申しあげます。会員各社といたしましては、できる限り早期に、通常出荷体制となりますよう尽力してまいります。
最後に、製薬業界において、いまだ関係法令に違反する品質不正に伴う業務停止等の事例が相次いでおり、その結果医薬品供給に支障をきたしています。
当協会としても、あらためて会員会社に対し、医薬品品質システムPQSの促進、漢方GMPの体制強化、ならびにコンプライアンス遵守体制の強化に向けた研修会の実施などの取り組みを推進してまいります。
本年も当協会の活動に一層のご理解とご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 長谷川 久(株式会社ツムラ)
- 医療用漢方製剤委員会
- 流通適正化部会
- 教育研修部会
-
教育研修部会の開催(12月6日(木)10時-11時、オンライン)
1)内容および討議要旨
①挨拶並びに参加メンバーより教育に関する近況報告
②教育研修部会 10月研修会報告について(宮内部会長より)
③2024年度業態別会議事業計画について
「医薬情報担当者の教育用資材の整備」は削除することを共有した。④今後の教育研修部会について討議(次回教育研修部会開催、その他)
生薬に関する研修を検討。小柳裕和氏(ツムラ生薬本部生薬業務部企画課)へ依頼し、2024年2月前後で実施することを決定した。 - 有用性研究部会
-
日本東洋医学会EBM 委員会への協力作業
1)「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)」に関して、日本東洋医学会ウェブサイトへの公開は10月16日に完了済み。(SA数 RCT:540件 MA:13件)また、2024年6月に開催される日本東洋医学会学術総会におけるEKAT 研究に関するシンポジウム企画については、以下の4名の先生方に内諾済み。
2)「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG)」に関して、KCPG2022の日本東洋医学会ウェブサイトへの公開は、9月8日に完了済み。
152CPG を掲載(Type A:37、Type B:62、Type C:53)。主な変更点は、以下の通り。①Minds(EBM普及推進事業)への掲載有無の表記
②掲載順は、これまでのICD順から、デフォルトを発行順に変更
(タブでICD10順に変更可能)
10月18日委員会を開催し、日漢協第240回・第241回理事会の審議・報告事項を説明した。また、部会(流通適正化、教育研修、有用性研究)および関係委員会等(コード、保険薬価、提言実現)の活動について、部会長・委員長より報告いただき情報共有した。
漢方の将来ビジョン 2040(第1期5ヵ年アクションプラン)の中間報告を作成した。アクションプランの項目である「医療用漢方製剤等に対する意識および使用実態に関する調査」に関しては調査機関(m3.com)の意識調査データを購入し活用することとした。
10月27日(金)に2023年度 第二回目となる流通適正化部会を開催した。
流通改善懇談会の議事においては一次売差マイナスの是正に向けた提言や価格交渉における課題点、またボランタリーチェーンなどに代表される価格交渉を代行するものの実態を共有し、単品単価交渉の障壁となっている点について部会内で広く意見交換を行った。
次いで透明性ガイドライン公開状況の確認と日漢協ホームページへの掲載に向け公開情報の同一化を各社へ呼びかけた。医療担当者等への説明や人的リソースなど各社それぞれの問題点を早急に解決頂くとともに、来年度中の公開を目指すことで部会内において合意した。
その他、製薬協コード責任者・実務担当者会の議事共有においては具体的な措置事例や医療用医薬品販売情報提供活動監視事業の監視結果報告、それに伴う意見交換を行った。
生薬会議
生薬委員会 委員長 山本 豊(株式会社栃本天海堂)
- 令和5年度 茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業について
- 第8回原料生薬使用量等調査について
農水省の支援を受けた薬用作物産地支援協議会(一般社団法人全国農業改良普及支援協会と日漢協で設置した協議会:薬産協)の今年度施策の一つである「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」(計3回、4日間/現地研修を含む)を完了した。また、「薬用作物(生薬)産地化推進のための行政担当者情報交換会」も予定通り完了した。
総参加者数は200名(延べ)を超え、薬用作物生産に対する関心の高さが伺われた。これらの資料や動画の一部は、薬産協のHP で公開しているので、確認していただきたい。
直近の2年間(2021年度:2021年4月~2022年3月、2022年度:2022年4月~2023年3月)について調査した(第8回)。現在、集計結果の確認作業中である。確認後、初回調査時以降の15年間の使用量等について考察を加え、生薬学雑誌へ投稿する予定である。
一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 高橋 隆二(クラシエ薬品株式会社)
- 一般用漢方製剤委員会
- 処方部会
- 適正使用推進部会
11/10 委員会主催の広告研修会
(1)10月3日に幹事会を開催し、今後の部会活動および委員会活動につき、意見交換・方向性の確認を行った。
(2)10月31日に2023年度第3回委員会を開催し、各部会の活動報告や各種プロジェクト報告等の情報共有を行った。
(3)会員会社数が33社から32社となった。
(4)12月13日開催の市民公開漢方セミナーにて漢方処方紹介のパネル掲示および製品空箱展示を予定しており、会員会社への空箱提供を要請した。
(5)11月10日に家電会館会議室において委員会主催の広告研修会を開催した。今回は会場のみの開催で会員会社から50名の参加があり、日本OTC 医薬品協会広告委員会の白鞘委員長を講師としてお招きし、一般用医薬品の広告規制と違反事例について講義を頂いた。
一般用漢方製剤承認基準への追加候補39処方につき、委員会内で開発意向を確認するためのアンケートの内容につき検討中。
10月18日に第3回部会を開催し、部会長交代を確認した。11月16日に第4回部会を開催し、広告研修会の振り返り、市民公開漢方セミナーのタスクの確認、確認票のメンテナンスの確認を行った。また、部会にて第249回広告審査会ヒアリング結果の共有と委員会内への情報発信につき意見交換を行ったうえで、11月27日に委員会内への情報発信を行った。
生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)
幹事会を9月14日に、委員会及び制度研究部会と製剤開発部会の合同部会を11月10日に開催し、5ヵ年アクションプランの中間報告案を取りまとめつつ、以下のように検討、情報共有している。
当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)の利活用推進のための環境整備に関して、これまで個人の問題として潜在化しがちだった女性が抱える健康課題や不安を、社会の問題として顕在化させて対応するためのフェムテックの社会実装と捉え、新たな展開に向けて検討を進めていく。
次の検討テーマとして生薬主薬保健薬(ニンジン主薬製剤)の範囲拡大の可能性について検討しており、制度研究部会と製剤開発部会の両部会で、古典や解説書等におけるニンジンの主治、薬能について収集し、現代的な適応、効能への読み替えを進めつつ、これまで収集してきた臨床文献等について、あらためて整理して一般用医薬品等の承認基準や健康食品等も参考にしながら効能効果案について検討していく。
セルフメディケーション税制について、2022年1月から税制が5年間延長され、対象品目がスイッチ成分配合品から、マオウ、ジリュウ、ナンテンジツを配合した漢方生薬製剤を含めた一部の非スイッチ成分配合品にも拡大し、税制の利用者(確定申告数)も増えている。税制対象品目リストは厚労省HP に掲載されており、対象品目数(JANコード別の製品数)は下表のように延長3年目も増加している。引き続き、全てのOTC医薬品が税制の対象となるよう期待している。
2023年12月時点の非スイッチ品における生薬(マオウ、ジリュウ、ナンテンジツ)配合品目数は下表の通りで、非スイッチ品の33.2%、税制対象品全体では19.9%を占めている。
原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)
2023年10月と12月に、本年度第4回および第5回原薬エキス委員会を開催した。委員会では局外生規2026の新規収載品センナエキスについて、定量法、定量法バリデーション、重金属等について詳細な検討を行った。
- 漢方処方エキスの日局収載
- 局外生規2026
辛夷清肺湯エキスが18局第二追補(2024年4月告示予定)で収載される。
19局収載(2026年4月告示予定)を目標に、現在麻子仁丸エキスの収載案が検討されており最終段階に入っている。次いで漢方処方の原案作成WGでは、人参養栄湯エキスと麻黄附子細辛湯エキスの収載案が検討されている。なお、2003年に設置された漢方処方の原案作成WG は、本年1月25日に100回目の会合を迎え、同日記念講演会が開催される予定である。
昨年9月25日に「第1回局外生規に関する検討連絡会議」(事務局:医薬品審査管理課)が開催された。会議には大学の先生方や業界団体代表が参加し、当委員会からは佐々木委員長が参加した。
なお事務局から、19局が2026年4月に告示予定であり、局外生規から日局へ移行する品目などがあった場合、当該品目が残ったまま局外生規に関する通知を発出する矛盾を回避するため、通知は19局告示後、つまり局外生規2026になる可能性が高いとのコメントがあった。
検討連絡会議では、座長に伊藤生薬部長(国立衛研)が選任され、最初にガラナ、センナエキスなど新規収載候補品目が確認され、それぞれの進捗状況が報告された。次いで、アキョウなど既収載数品目の改正案が審議され、了承された。
また現在、日局アカメガシワ確認試験の改正案が意見募集されているが、それに伴い局外生規アカメガシワエキスについても追試するよう要請があり、現在当委員会で追試中である。
昨年11月6日に開催された局外生規2026第6回作成WG(座長:伊藤生薬部長)で、当委員会が検討したセンナエキスの定量法バリデーションの結果について報告した。結果が良好であったことから、さらに定量法の室間再現性、含量規格等の検討に進むこととされた。現在、当委員会で検討中である。
国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョンプロジェクト
プロジェクトリーダー 味岡 賢士(株式会社ツムラ)
1. プロジェクト会議を10月24日、11月28日、12月19日に行った。
「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会2023」(日本東洋医学会共催)が2024年2月19日(月)18:00~KKRホテル東京にて「コロナ後の医療における課題と漢方薬の必要性」をテーマとし開催されることとなり、PJ内にて開催について検討を行った。
2.2024年度の医療経済学的研究に係る研究助成の応募を2023年10月1日から2024年1月31日の期間で開始した。
総務委員会
委員長 永野 聡(株式会社ツムラ)
- 事業方針、事業計画、事業報告について
- 協会活動の効率的運営について
- 講演会について
- 環境活動について
第164回委員長会にて、2024年度の事業方針(案)・事業計画(案)の策定、2023年度事業報告の作成について説明し、各組織に依頼した。
(1)財政基盤の検討
日漢協の事業活動を展開するため、各組織の課題抽出と今後の見込みなどを整理し、財政基盤の健全化に向けた考え方(案)を取りまとめて第242回理事会に上程した。
(2)ビジョン実現検討班の運営
「漢方将来ビジョン2040」第1期5ヵ年アクションプラン中間報告の作成について依頼した。
2023年9月15日(金)の第241回理事会後に高知県立牧野植物園園長川原信夫先生を招き、「植物を通じた社会貢献を目指して~高知県立牧野植物園の紹介と今後の展望~」令和5年度学術講演会を開催した。参加会員会社数24社、参加人数119名(Web参加含む)であった。
環境の取り組みに関する実態調査の実施について環境部会で検討した結果、今年度は実施せず、日薬連フォローアップ調査への参加確認、日漢協環境部会の参加募集を優先的に活動することを確認した。
広報委員会
委員長 北村 誠(株式会社ツムラ)
- 第25回市民公開漢方セミナー(9月1日~30日YouTube配信)について
- 2024年市民公開講座(日本東洋医学会との共催)について打ち合わせ
- 第26回市民公開漢方セミナー(協会創立40周年記念)について
- 12月5(火)~6日(水)開催栽培技術研修会および産地化に向けた地域説明会および相談会について両日、取材および下記の通りプレス対応を行った。
- 日本薬科大学における講義について
- 取材対応および記事掲載について
- 広報委員会開催について
本セミナーについては、9月末をもって配信を終了。
期間中の再生回数は、2,147回(2022年1,512回、2021年1,315回)。
10月1日より日漢協のホームページ内においてアーカイブ公開している。
また、本セミナーの内容を掲載した小冊子を作成、ホームページにWEB 版を掲載するとともに、今後広報活動のための資材として有効活用を図る。
2024年6月2日(日)に開催される市民公開講座(場所:大阪国際会議場)について、10月13日(金)に本講座の企画内容について打ち合わせを実施
(1)打ち合わせメンバー
1)来年の日本東洋医学会学術総会会頭 三谷 和男先生/準備委員 梶本 めぐみ先生
2)日漢協 事務局(栗村事務局次長)、広報委員会(中浜副委員長、平広報委員)
(2)打ち合わせ及び確認内容については以下の通りである。
1)三谷先生からあらためて日漢協との共催要請があった。
2)梶本先生から具体的な開催案として下記のような提案があった。
(3)開催案
1)【過去の横軸】「蘭学者・緒方洪庵のみる東洋医学」 40分
講師:松永 和浩先生(適塾記念センター、大阪大学准教授)
2)【過去といまを結ぶ縦軸】「緒方洪庵系譜とその後」 40分
講師:緒方 洪輔先生(関西医科大学総合医療センター麻酔科ペインクリニック科緩和医療科、緒方洪庵の子孫6代目)
3)【いまの横軸】いま広がる精神~復興支援酒「緒方洪庵」を一例に 20分
講師:佐藤 功先生(前大阪大学大学院人間科学研究科教職課程担当・教授)
(4)日漢協として協力する内容について以下のようにお伝えし、承諾を得た。
1)共催費については70万円(税込み)を負担
2)告知活動や当日の協力業務について
下記内容にて同セミナーを4年ぶりに会場開催した。参加人数は146名(一般112名、関係者34名)、盛況の内に閉幕した。
当日の映像は、協会ホームページ内でYouTubeにより公開している。
(1)日時:12月13日(水)18:00~20:00
(2)場所:日暮里サニーホール(荒川区)
(3)講師およびテーマ:
第1部
講 師:神田香織先生(講談師)
テーマ:「漢方復興物語」
第2部
講 師:姫野友美先生(ひめのともみクリニック院長)
テーマ:「漢方×栄養でストレスケア」
1月10日(水)、同大学からの依頼により韓国の留学生を対象に日漢協の役割等について講義を行った。
9月7日(木)、じほう(日刊薬業)・大浜隆記者による日漢協の薬価制度に関する要望事項についての取材に対し加藤会長が対応、保険薬価委員会の坂上誠委員長および広報委員会の中浜副委員長が同席。9月27日(水)に記事掲載された。
11月15日、広報委員会を開催し、以下の内容について報告、討議等行った。
(1)2024年市民公開講座(日本東洋医学会との共催)についての情報共有
(2)第25回市民公開漢方セミナー振り返り
(3)第26回市民公開漢方セミナーの開催に向けた情報共有
(4)m3.comからのデータ購入に関する提案(長谷川委員)
(5)委員会メンバーについて
(6)次回の広報委員会日程について
国際委員会
委員長 小柳 裕和(株式会社ツムラ)
ISO/TC249関連活動
①11月2日 30thWG 1会議にて9件の内容を審議
②11月3日 26thWG 1会議にて11件の内容を審議
日漢協から4名(浅間、山路、高杉、小柳)のエキスパートが出席
ISO/TC249の各案件の進捗
2023年11月現在の、各開発段階における案件数は、以下に示すとおりである。WG1で32件、WG2では20件が国際規格として発行されており、WG1は29件購入、3件未購入(年度内購入予定)、WG2は全て購入済である。
個別に国際規格をご覧になりたい方は、クロジカにアクセスいただき、
フォルダー > 08 資料室 > ISO 規格書 >
★購入ISO 一覧表20230630.xlsx
のファイルを参照し必要な国際規格をご覧いただきたい。
薬制委員会
委員長 栗田 宏一(クラシエ薬品株式会社)
薬事制度に関する事項、漢方・生薬製剤の関連法規及び関係通知の調査研究、関係行政機関及び諸団体との連絡並びに意見具申を基本に活動している。
- 法令遵守体制の維持・向上に関する取組について
- 一般用5団体・PMDA 審査実務意見交換会について
2023年10月25日付け日薬連発第743号「法令遵守体制の維持・向上に関する取組について」が発出された。各社での法令遵守体制の整備・向上とともに各業界団体での総会、理事会等の場を利用し、責任役員を含む経営層を対象とした教育訓練の機会を設けることや法令等や社内規程の内容や適用等について相談できる窓口を設置等、加盟各社の企業ガバナンスの維持、向上のための取組が求められている。日漢協では定期的に理事会後にコンプライアンス研修会を実施している。
毎年開催している一般用5団体・PMDA審査事務意見交換会の第5回意見交換会が11月30日開催された。日漢協からは漢方生薬製剤の審査実務に関連して一般用漢方製剤委員会、生薬製剤委員会、薬制委員会から3名参加し、漢方生薬製剤の原薬エキスや製剤の規格、承認書の記載について意見交換した。
技術委員会
委員長 高杉 泰弘(株式会社ツムラ)
2023年10月26日に2023年度第4回、2023年12月19日に第5回の委員会を開催した。日局や局外生規関連をはじめとする各部会の活動進捗や日薬連品質常任委員会を通した規制当局の動きについて共有化を図っている。
- 日局関連
- 局外生規2026作成WG
- 一般薬連医薬品品質PJ
- 不純物関連
- GMP関連
日局19への収載に向け、麻子仁丸エキス、人参養栄湯エキス、麻黄附子細辛湯エキスの試験法について継続して検討している。
局外生規は3年に1回改正してきたが、審査管理課から日局大改正の5年に一回に合わせる等の理由により、局外生規2025ではなく局外生規2026として活動していく。
一般用医薬品の「品質に係る自主点検の追加アンケート(GMP省令に関する確認)の依頼について」が、12月25日締め切りで実施された。
重金属に関して、国立衛研より依頼のあった、JP17以降に日局収載された漢方処方エキスの検体を収集し国立衛研へ送付した。
技術品質部会主催でPQS ワークショップを2024年1月26日に全国家電会館で開催し、品質テーマに基づいてグループディスカッションを行う。
安全性委員会
委員長 香取 征典(株式会社ツムラ)
●医療用医薬品添付文書新記載要領対応
製造販売業者ごとに各品目の新記載要領に基づいた電子添文の作成・届け出・公開対応を2024年3月末までに完了させなくてはならないが、医療用医薬品全般で進捗が著しくない状況のなか、日薬連からの通知や講習会にて各社迅速な対応を行う事を伝えており、漢方薬においては引き続き安全性委員会が中心となって各社の完了時期を確認しながら情報共有を進めている。また、日本生薬連合会とのさらなる連携を深めた対応も実施しているところである。
さらには、「使用上の注意」記載内容が確定となった内容について、医療用漢方製剤を対象とした業界統一冊子の改訂作業にも着手していく予定である。改訂版については、各社の新記載要領対応を優先させながら作業スケジュールの検討を進め、新記載要領対応版としてより分かりやすい掲載内容を目指すとともに、関係各社より参加頂くWG にて検討を行いながら対応を進めていきたい。
コード委員会
委員長 松塚 泰之(クラシエ薬品株式会社)
10月6日に委員会を開催し、①8月22日に厚生労働省から公表された令和4年度販売情報提供活動監視事業報告書の詳細内容について②9月20日開催された製薬協コード管理責任者・実務担当者の内容について③11月開催のコード理解促進月間の通知文確認について④一般薬連広告審査会の内容についてと一般用漢方製剤委員会主催の広告研修会(11月10日)を開催するので出席依頼などの情報共有を実施した。また、会員会社からの製品情報概要等審査資材の取りまとめが終了したので2023年度の製品情報概要審査部会を11月29日、12月25日に開催することになった。また、例年通り2024年年初に販売情報提供活動に関するアンケートを実施することも決定した。
保険薬価委員会
委員長 坂上 誠(株式会社ツムラ)
保険薬価委員会は、9月12日、10月9日、11月7日、12月12日に会議を開催した。2024年薬価改定へ向け、医療用漢方製剤等の基礎的医薬品・不採算品再算定・最低薬価について協議した。
10月10日に厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課より、「基礎的医薬品」への希望確認についての事務連絡があり、提出期限までに、各種資料を各企業より提出した。
不採算品再算定については、日漢協として取りまとめた不採算品再算定希望品目の必要資料を各社より提出した。
また、社会保障制度に係る議論など関係する審議会等の情報を共有した。
当選は逃しても秀逸!〜過去の表紙写真の応募作品から〜
いつもニューズレターの表紙写真への応募ありがとうございます!
今号のトピックスは、この2年の間に応募があり、当選作品にあと一歩及ばず、惜しくも落選となってしまった作品を紹介します。
このまま「お蔵入り」にしてしまうにはあまりにももったいない秀逸品の数々をお楽しみください。
これからも、積極的な投稿、お持ちしています!
【応募号】ニューズレター114号(2022年1月)
京都市
観光客や修学旅行の学生でごった返していた清水寺ですが、ほんの一瞬、人波が途切れた瞬間があったので咄嗟に撮影しました。
横浜市
山下公園のバラ園に咲いていた黄昏時のバラです。
茨城県土浦市
霞ヶ浦湖畔周辺は全国有数のレンコンの産地です。寒い冬の朝、胸まで水につかりながらの収穫作業は厳しそうです。
【応募号】ニューズレター115号(2022年5月)
滋賀県(百済寺)
上京前・コロナ禍前の家族旅行の時の写真です。新緑の木々で囲まれ、あたたかい木漏れ日と爽やかな風がとても心地よく感じました。
横浜市
散歩途中に空を見上げたら、雲一つなく清々しい青空でした。
墨田区
真下から見上げたスカイツリーです。
【応募号】ニューズレター116号(2022年9月)
山形市
勉強会が始まる前の散歩中に見た緑あふれる山形の風景です。
神奈川県大和市
散歩の途中のコスモス畑です。翌週から誰でも摘み放題になります。
文京区(神田明神)
協会事務所から歩いて5分の神田明神。会議終了後、移動途中に立ち寄りました。雲が切れて青空が広がってきた中、たまたま御神殿付近に誰もいない瞬間があったので、思わず撮影しました。
【応募号】ニューズレター117号(2023年1月)
横浜市(アメリカ山公園)
少しロマンチックな横浜の夜景です。“ブルー”のイルミネーションが美しく輝いていました。
秋田市(久保田城)
まだ現役のさくら、お堀に落ちて新たな情緒を放っているさくら、それらの競演に目を奪われシャッターを切りました。
和歌山県日高郡(みなべ町清川天宝神社)
朝熊竜胆<アサマリンドウ> Gentiana sikokiana Maxim.日本の固有種、自然が色濃く残る山間に咲き、そして冬が近いことを知らせてくれます。
【応募号】ニューズレター118号(2023年5月)
姫路市(姫路城)
改修後、甦った姫路城が青空に映え美しかったです。
福島県東白川郡(江竜田の滝)
タイミングよく陽光が差し込み、新緑を際立たせてくれました。
宇都宮市(若竹の杜)
澄んだ空気の中、美しい竹林に囲まれて心が穏やかになりました。瑞々しい緑が素敵でした。
【応募号】ニューズレター119号(2023年9月)
調布市(神代植物公園)
神代植物公園内の真ん中にでんと構えたパンパスグラスです。背が高く、大きく、立派です。
会津若松市
会津の御薬園できれいに並んでいたイヌサフランです。
投稿者勤務会社研究所 薬草園
朝露に濡れたドクダミがあったので、写真を撮りました。
表紙写真採用者のコメント
㈱ツムラ 大阪支店 北摂営業所 上田幸介
本当に珍しく大阪に雪が降った朝に、太陽が差し始めるのを待って撮影しました。