116号 (第39巻 第2号)2022年9月
農林水産省の薬用作物振興への取組
農林水産省 農産局 地域対策官 仙波 徹 |
本年1月に地域対策官を拝命し、薬用作物の振興を担当しております。
日本漢方生薬製剤協会におかれましては、薬用作物の振興施策にご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。
さて、改めて申すまでもないことですが、薬用作物は飛鳥・奈良の昔から使われてきたものであり、漢方医学は我が国で独自の発展を遂げた伝統医学の体系であり固有の文化でもあります。こうしたすばらしい先人の知恵の体系を現代に活かし、さらに発展させ、後の世代に引き継いでいくこと、そのことに行政として貢献していくことは農林水産省の大事な役割だと認識しています。
農林水産省としても、薬用作物の振興には以前より関わってきており、かつては数少ない輸出農作物として地域経済にも貢献していた薬用人参が、国際経済環境の変化を受けて生産が厳しくなった際には、共同処理加工施設の整備により、生産の合理化を支援する等の施策を講ずるなどの取組も行ってきました。
しかしながら、特に近年薬用作物の振興施策が充実してきたのは、2016年に貴協会と(一社)全国農業改良普及支援協会が、薬用作物産地支援協議会を設立し、厚生労働省や当省と連携していただきながら、産地支援の体制が整ったことが大きな契機となったと理解しています。
特に一般的な取引市場が存在せず、実需者のニーズに合った契約栽培が必須である薬用作物において、製薬メーカーの皆様との契約に向けた事前相談・マッチング機会の提供のみならず、安定生産に資する栽培技術確立のための実証や栽培マニュアルの作成、栽培技術指導、農業機械の改良・開発など、生産から販売までトータルに関わっていただいていることは、産地にとって大きな助けになっており、我が国地域経済への貢献といった面でも大きなものがあると考えています。
今年度からは、農林水産省としても、さらに施策を一歩進める取組として、(公社)東京生薬協会が事業実施主体となり、貴協会の会員メーカーにもご参画いただきながら、キキョウの生産性向上や高品質化を図るために全国に4カ所の技術拠点農場を設置し、機械化一貫体系の技術実証や日本薬局方に基づく規格基準を満たす商品化率向上のための施肥等管理技術の実証を行い、各メーカーの独自規格を含め複数の実需者が利用可能な技術体系の確立を図る取組の支援を新たに始めたところです。
農業のさらに重要な使命は地域を元気にし、日本全体を元気にすることです。薬用作物は漢方薬として、人々の健康の維持・増進を通じて、文字通り日本を元気にしてくれています。引き続き貴協会には、そうした素晴らしい取組の先頭に立っていただくようお願いするとともに、当方も今後も皆様方と協力し、行政担当者として全力で取り組んでいく考えです。
副会長就任にあたって
日本漢方生薬製剤協会 副会長 栃本 大輔 株式会社栃本天海堂 代表取締役社長 |
はじめに、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。また、医療従事者をはじめ、感染拡大の防止にご尽力くださっている皆様に深く敬意と感謝を申し上げます。
私は、本年5月より吉川前副会長の後を受け、副会長職を拝命し、併せて生薬会議議長の重責を担うこととなりました株式会社栃本天海堂の栃本大輔と申します。
就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
私は1998年に栃本天海堂に入社し、原料営業部門等に従事し、中国との貿易強化や生薬の栽培手法の確立、生薬の品質確保や安定供給に尽力して参りました。弊社(栃本天海堂)は、日本国内及び世界各国から生薬やハーブ類を輸入し、その安全性を確認し、選別や加工を施したうえで、医療機関で使用される生薬や漢方薬の原料として販売する会社です。2018年6月に代表取締役に就任してからは、生薬の品質と供給の安定化を目指すだけでなく、生薬や漢方薬を通じて、どのようにすれば皆様の健康に貢献することができるかを日々考え、微力ながら実践しています。
日漢協は、昨年の5月に「漢方の将来ビジョン2040の実現に向けたロードマップに基づく実行計画」を発表いたしました。副会長職として、ここで示された「さらなるエビデンス集積と有用性の確立」、「原料生薬の継続的安定確保と国産生薬生産量の拡大」、「コンプライアンス遵守の体制強化と信頼性向上」など8つのビジョンを実現するべく、ロードマップに従って取り組んで参ります。
「さらなるエビデンス集積と有用性の確立」では、今や国民の2人に1人が一生に一度はがんにかかるといわれ、高齢化に伴い、がん罹患数は今後も増え続けることが想定されています。漢方製剤等は抗がん剤の副作用を軽減する効果が期待されるため、臨床においても広く使用されるようになっております。漢方製剤等のさらなるエビデンスを集積することで、よりいっそう有用性を確立し、患者さまの健康に貢献して参ります。
「原料生薬の継続的安定確保と国産生薬生産量の拡大」では、漢方製剤等の原料となる生薬の安定供給のため、日中交流を通じた良好な関係を構築し、また国内では薬用作物の栽培や産地化に向けた活動を推進して参ります。
「コンプライアンス遵守の体制強化と信頼性向上」では、昨今の医薬品業界における諸問題を受けて、会社のコンプライアンス遵守体制の構築が求められています。会員会社が薬機法やガイドライン等を遵守し、漢方製剤等の信頼性を高められるよう、活動して参ります。
先日政府が閣議決定した骨太方針2022には、OTC医薬品の拡大を見越したセルフメディケーションの推進が明記されました。現在は一部の一般用漢方製剤等がセルフメディケーション税制の対象ですが、税制の恒久化と、一般用漢方製剤・生薬製剤を含めた対象医薬品の拡大に向けて取り組んでいかなければなりません。また、カーボンニュートラルに向けた対応や日本薬局方改正等への協力、薬価対応や基礎的医薬品への適用拡大、ISO/TC249の国際対応など重要な事項も多くありますので、誠実に順次取り組んで参ります。
最後に、日漢協として実効性のある取り組みとするためには、会員会社様のお力添えが必要不可欠です。今後も関係行政や関係機関のご指導をいただきながら、与えられた職責を誠心誠意全うしていく所存でございますので、何卒、皆様方のご支援ご協力を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。
医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 長谷川 久(株式会社ツムラ)
- 医療用漢方製剤委員会
- 流通適正化部会
- 教育研修部会
-
MR 認定センター主催「MRフォーラム」について
2022年8月24日( 水)13:30~16:30、会場またはオンラインのハイブリッド形式で開催された。「MRフォーラム」は、MRが医療に貢献し、存在価値を高めるきっかけとなるよう企画され、医師・薬剤師・MRによる講演とパネルディスカッションが行われた。 -
教育研修計画について
1)適正使用に関わる教育研修部会
(案)販売情報提供活動ガイドライン教育と研修
「漢方の適正使用」10月以降オンライン開催予定
講師:株式会社ツムラ 法務・コンプライアンス部適正推進課 若桑 文夫 氏
2)漢方・生薬の知識向上に関する教育研修
(案)生薬の安定供給に関する最近の話題
「河南中医薬大学と安徽省亳州市場」10月以降オンライン開催予定
講師:株式会社ツムラ 医薬営業本部東京支店医薬情報課 笠原 良二 - 有用性研究部会
- 日本東洋医学会EBM委員会への協力作業「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)」に関して、EKATAppendix 2021(日本語版)を日本東洋医学会ウェブサイトに公開した。(5月31日)
- 日本東洋医学会EBM委員会への協力作業「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)」に関して、EKAT2016(英語版)を日本東洋医学会ウェブサイトに公開した。(6月30日)
- 「医療用漢方製剤2022-148処方の添付文書情報-」を日漢協ホームページに公開予定(9月30日)
5月25日委員会を開催した。第232・233回理事会、第40回定期総会の審議・報告事項、部会活動および関係委員会(コード、提言実現、保険薬価)情報について共有した。
会長挨拶文についても一読し説明した。
流通適正化部会においては、医薬品公取協ホームページにおいて掲載されている「医療機関の開設者に基づく分類」が見直された件について部会内で共有を行い、公務員倫理法関連の理解深耕を図った。
【掲載抜粋】
生薬会議
生薬委員会 委員長 山本 豊(株式会社栃本天海堂)
- 2022年度「茶・薬用作物等地域特産作物体制強化促進事業」について
- 第7回原料生薬使用量等調査の結果について
農水省の支援を受けた薬用作物産地支援協議会(一般社団法人全国農業改良普及支援協会と日漢協で設置した協議会)の今年度施策のうち、①「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」および②「薬用作物産地支援栽培技術研修会」の開催予定を以下に示す。
薬用作物の栽培等に興味をお持ちの方は、ぜひご参加いただきたい。
また、2022年度マッチング支援(売買支援等)の受付を開始したので、生産団体様と実需者(漢方薬メーカー)のマッチングの場としてご活用いただきたい。
2018年度(2018年4月~2019年3月)及び2019年度(2019年4月~2020年3月)の調査結果の集計を終え、公開(生薬学雑誌への投稿)に向けて作業中である。今回は、過去6回の調査結果を加えて13年間の推移を示す予定である。
一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 中井 玲(クラシエ薬品株式会社)
- 一般用漢方製剤委員会
- ・各部会活動報告
- ・日漢協創立40周年記念事業ワーキング報告
- ・第25回市民公開漢方セミナーの講演テーマについて検討
- ・セルフメディケーションの日(7月24日)について活動案内
- ・「広告研修会」実施(10月28日)の件
- ・OTC5団体とPMDAとの審査実務意見交換会の報告
- ・その他連絡事項、トピックス等につき情報を共有
- ・2022年度第3回委員会を10月7日に大阪会場とWebで行うことに決定。
- 処方部会
- ・削除候補処方の検討
-
・追加候補処方の提案
- *追加処方候補を絞り込むための判断基準
- ・一般用漢方製剤としてふさわしい効能・効果が設定できる
- ・入手困難な生薬、安全性に疑問がある生薬を含まない
- ・市販品があり、広く使われる実績がある
- 適正使用推進部会
2022年8月4日 2022年度第2回委員会をハイブリッド開催 出席者22名
2022年6月1日 部会をハイブリッド開催
1. 一般用漢方製剤製造販売承認基準へ追加する候補処方を検討。
追加候補処方の処方文献シートの作成を行い部会にて共有、効能・効果、成分・分量について意見交換を行った。
~製品化しやすい基準への見直し~
1. 部会長交代
2022年8月4日付
クラシエ薬品株式会社 中井玲 → 大正製薬株式会社 中堀秀俊
生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)
AMED官民共同研究「配合生薬エキス製剤の実用化推進に資する品質評価技術基盤の開発研究」(配合生薬班)での5年間の研究成果として、国立衛研 生薬部において、当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)の承認基準原案が取りまとめられた。
本成果の実用化がもたらし得る社会的課題への対応についての情報収集を進めており、平成31年(2019年)3月に経産省ヘルスケア産業課で取りまとめられた「健康経営における女性の健康の取り組みについて」や、厚労省において本年3月に実施された「更年期症状・障害に関する意識調査」の結果について共有している。また、本年6月3日に政府の「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」(女性版骨太の方針2022)が、6月7日に「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針2022)や「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定された。その「フォローアップ」における記載に沿って、女性活躍や健康経営の推進に資するフェムテックの1つとして、当帰川芎製剤の開発環境の整備や漢方生薬製剤の利活用が進むことを期待している。
次の検討テーマとして、生薬主薬保健薬(ニンジン主薬製剤)を取り上げ、その範囲拡大の可能性について検討するために、制度研究部会と製剤開発部会で分担して、収集した臨床文献の有用性やエビデンスレベル等を精査しつつ、一般用医薬品等の承認基準や健康食品等も参考にしながら効能効果案について整理を進めている。
その他、下記のように委員会等を開催し、以下のような事項について情報共有や意見交換をしている。
- ・日漢協40周年記念事業の準備(40年史の取材対応)状況
- ・局外生規2025WGの立ち上げや検討状況
- ・セルフメディケーション税制の対象品目数の推移や生薬配合品目数に関する情報
- ・PMDA一般薬等審査部との審査実務意見交換会(第4回)
-
・広報・広告関連イベント等
幹事会:7月22日
委員会、制度研究部会、製剤開発部会:7月29日
原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)
2022年6月22日と8月19日に本年度第2回および第3回原薬エキス委員会をWeb会議にて開催した。委員会では、日局進捗状況や局外生規2025での新規単味生薬エキス収載提案について検討を行った。
- 漢方処方エキスの日局収載
- 局外生規2025
医薬品審査管理課から8月3日に、18局第一追補(本年12月告示予定)の厚労省パブコメが発出された(意見募集期間:9月1日まで)。18局第一追補では、柴胡桂枝乾姜湯エキス、抑肝散加陳皮半夏エキスの2処方が新規収載される。これにより日局収載漢方処方エキスは39処方となる。
次いで辛夷清肺湯エキスの収載案が最終検討段階にあり、また麻子仁丸エキスの収載案が精力的に検討されている。これらは18局第二追補(2024年4月告示予定)で収載される見込みである。
本年3月8日付で局外生規2022が通知されたが、早くも8月1日に局外生規2025第1回作成WG(座長:国立衛研伊藤美千穂生薬部長)が開催された。
第1回作成WGでは、メリロートなど既収載生薬の改正、ガラナ、ショウブコン(末)など数品目の新規収載生薬、またセンナエキスなど新規単味生薬エキスについて検討を進めることが決定された。あわせてそれぞれの品目の担当者が明確にされた。
第2回作成WGは11月8日に開催される。
国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョンプロジェクト
プロジェクトリーダー 味岡 賢士(株式会社ツムラ)
6月28日(火)提言実現プロジェクト会議を実施し、今年度の研究会開催に向けて、テーマ、開催時期の検討の他、研究会メンバーの交代、新規メンバーについて情報共有を行った。
AMED研究事業「ドラッグリポジショニングを念頭にした天然物医薬品の適用拡大の基盤整備研究」実施にあたり、研究内容についての説明会を6月29日(水)に実施し、日漢協会員会社から8社が参加した。
総務委員会
委員長 永野 聡(株式会社ツムラ)
- 事業計画に関する事項
- 協会活動の効率的運営に関する事項
- コンプライアンスに関する事項
- その他
第40回定期総会(5月17日)において、「2022年度事業計画」が承認された。
ビジョン実現検討班の取り組みにおいて、一般用医薬品の広告対応体制の課題について関連委員会と検討を開始した。
会員会社の法令遵守体制および責任役員の役割等のコンプライアンス意識のさらなる強化を図る目的で、2022年9月16日(金)の理事会後にコンプライアンス研修会を企画している。
40周年記念事業プロジェクト
(1)第4回40周年記念事業プロジェクトにおいて、式典WGの進捗状況を報告した。
(2)日漢協40年史発刊に向け、2013年度〜2022年度の10年間の総務委員会における出来事を説明するため、編集者のインタビューを受けた。
広報委員会
委員長 犬飼 律子(株式会社ツムラ)
- 日漢協創立40年史編纂について
- 市民公開漢方セミナーについて
- 日漢協ガイド2022
2023年5月に迎える創立40周年に向けて、この10年の協会活動を中心に創立40年史の編纂に取り組んでいる。現在協会には14の委員会・プロジェクトが設置され、それぞれの分野で活動を行っているが、これまでにすべての委員会・プロジェクトからの情報収集を完了した。今後、得られた情報をもとに誌面構築に取り組むとともに、40年史ならではの特集企画作成のための取材活動などを続けていく予定である。
2022年度に開催する第25回市民公開漢方セミナーの準備を開始した。今回はセルフメディケーションの観点も取り入れ、一般生活者のニーズに即したテーマを設定すべく情報収集・検討を行っている。
また、創立40周年を迎える2023年度は、第26回市民公開漢方セミナーを40周年記念セミナーとして開催するプランも検討されており、こちらについても並行して検討を進めていくこととしている。
例年発行している日漢協ガイドの2022年度版が、各委員会のご協力のもと完成した。
すでに協会ホームページで公開されているほか、関係する皆様のお手元にもお届けしている。引き続き英語版および中国語版の作成を進めており、9月中に協会ホームページでの公開を予定している。
国際委員会
委員長 小柳 裕和(株式会社ツムラ)
(1)国内委員会への参加
2022年度 第3回国内対策委員会 8月5日開催
審議案件が3件と少ないため、委員会を開催せずに、メールでエキスパートへの意見を確認して、投票態度を決定。
(2)ISO/TC249ミーティングへの参加
エキスパート5名が参加した。(山口、高杉、佐野、小柳、浅間)
6月20日の24回WG1において7案件を審議。審議内容の詳細を確認したい方は、事務局にご連絡ください。
2.その他
(1)日薬連国際委員会関連活動
PMDA中国担当者チームとの官民勉強会
第16回目は7月27日の14:00~15:00
関西医薬品協会(以下、関薬協)担当で開催され「中国DMFについて」、田辺三菱製薬の栞原由香里氏と関西医薬品協会の高下洋一氏からの報告。中国における申請に伴うDMFに関して紹介。
(2)日薬連国際委員会情報提供
1.7月21日 関薬協主催 第8回「台湾・日本製薬セミナー/ビジネスマッチング」のご案内
2.8月 1日 北京日本商会から 中国経済と日本企業2022年白書
3.8月 2日 NMPA「古代古典で調合の優れた薬のデータ表(25製剤)(意見募集稿)」を通知
薬制委員会
委員長 栗田 宏一(クラシエ薬品株式会社)
薬事制度に関する事項、漢方・生薬製剤の関連法規及び関係通知の調査研究、関係行政機関及び諸団体との連絡並びに意見具申を基本に活動している。
- 品質問題事案の再発防止に向けた取組みについて
- 一般薬連・医薬品の品質問題への対応
- 日漢協創立40周年記念事業(2023年創立40周年) 薬制委員会の10年
令和4年4月28日付け薬生監麻発0428第2号「医薬品の品質問題事案を踏まえた製造販売業者及び製造業者による品質管理に係る運用について」、薬生監麻発0428第9号/ 薬生安発0428第3号「医薬品製造販売業者及び医薬品製造業者に対する調査への責任役員の同席について」、事務連絡(監麻課)「GMP事例集(2022年版)について」が発出された。
薬制委員会では情報共有のうえ周知徹底した。
2月一般薬連による「一般用医薬品の製造・品質に関するアンケート」実施後、3月31日付けで要望書「一般用医薬品の製造・品質に関する要望について」が2課長宛てに提出されている。5月20日一般薬連第29回理事会で「医薬品品質問題対応PJ(プロジェクト)の設置」が承認され、日漢協からは技術委員会、薬制委員会から委員選出した。
40年史作成にあたり薬制委員会の活動・出来事について10年の振り返りを行った。
一般用漢方生薬製剤の薬事制度見直し、一般用医薬品販売制度の特定販売(ネット販売)、医療用漢方製剤の再評価結果通知発出、医療用漢方製剤の剤形追加のための承認申請ガイドラインなど薬事制度に関する検討・制度構築とともに、承認書と製造実態の整合性点検、法令遵守体制、責任役員、三役体制など製薬産業の信用・信頼、コンプライアンスの10年であった。またCOVID-19の影響による新しい生活様式、Web会議、押印廃止、電子申請・届出などの電子化も進んだ。
技術委員会
委員長 高杉 泰弘(株式会社ツムラ)
2022年6月21日、8月23日に委員会を開催した。局方や局外生規関連をはじめとする各部会の活動進捗や日薬連品質常任委員会を通した規制当局の動きについて共有化を図った。
- 日局関連
- 日薬連品質常任委員会関連
- 不純物関連
局外生規2025に向けて8月1日に第1回目の作成WGが開催された。
「品質確保に向けた実効的な対策検討のための会」(仮称)において、7つのワーキング活動が展開されている。
菊花(キクカ)の重金属実態調査結果を国立衛研より受領し、検体を提供いただいた会員会社様にフィードバックを行った。
安全性委員会
委員長 香取 征典(株式会社ツムラ)
- 医療用医薬品添付文書新記載要領への対応
PMDAとの医療用漢方・生薬製剤の新記載要領の相談が2021年度から始まっているが、漢方・生薬製剤特有の問題点や課題について検討した結果を反映させた相談内容を作業WGにて共有し、改訂準備作業を進めている。
新型コロナの影響により相談スケジュールに変更が生じたが、医療用漢方製剤の最後の相談品目グループである2022年度第1期相談品目の改訂案を3月末に提出し、照会対応等を経て7月下旬に改訂内容がフィードバックされたところである。今後、「使用上の注意」の業界統一と自主改訂冊子の改訂版について検討を行っていく予定である。
生薬製剤については日生連と連携してワーキングを立ち上げ、7月から始まった新記載要領の改訂相談に向けて対応策や問題点等を共有している。またPMDAと事前調整し、7月6日にPMDAで生薬製剤の問題点等について検討頂いた結果についての説明会が実施された。品目により調整が必要な事項については、取扱い製造販売会社にて対応を検討することとなったが、7月からの相談対象品目については相談案を提出し、現在照会待ちの状況である。
コード委員会
委員長 松塚 泰之(クラシエ薬品株式会社)
7月29日に厚生労働省監視指導・麻薬対策課から令和3年度販売情報提供活動監視事業報告書が公表された。同内容についてまずメールで情報を共有した。8月17日にコード委員会を開催して、情報共有をするとともに意見交換を実施した。本年度の製品情報概要等の審査スケジュールを示した。
一般用漢方製剤委員会の主催で10月28日に広告研修会を行うことになり、当委員会からも参加者を募った。昨年度決まった「満量処方」という広告表現をする際に、注釈を入れることで表現可とする内容等周知も行なう予定である。
一昨年、昨年に続き、2022年度販売情報提供活動ガイドラインに関する社内体制整備に関するアンケートを実施することとした。
なおアンケート内容は次回委員会に提示する予定とした。
保険薬価委員会
委員長 坂上 誠(株式会社ツムラ)
保険薬価委員会は、6月7日、7月12日、8月9日、9月13日にWEB会議を開催した。
次期薬価改定へ向けて医療用漢方製剤等の基礎的医薬品、不採算品再算定への進め方を検討した。また、令和4年度薬価改定における医療用漢方製剤、生薬、生薬製剤の薬価変遷表を作成した。関係審議会の審議状況、日漢協40年史の作成状況の情報共有を行い、意見交換を行った。
私の健康法 俳優 吉沢京子さん
薬草系のお酒が好き…
ロート製薬、大塚薬品、富士薬品など、
何故か薬と縁があるんです。
●アイドルの魁、プロマイド売上ナンバーワン
日本にアイドルという言葉が生まれ、根付きはじめたのは1971年とされている。NHK総合テレビの全放送がカラー化されたのがこの年だった。13歳の時、『燃えろ! 太陽』(東宝)で酒井和歌子の妹役で映画デビュー。2年後の1969年(昭和44)、TBSのテレビ番組『柔道一直線』でヒロインのミキッペこと(高原ミキ)役に抜擢され、一躍、お茶の間の人気者になった。
その後、清純派女優として数々の作品に出演、1971年に小林桂樹と共演した東宝映画『父ちゃんのポーが聞こえる』で、ハンチントン病に侵されながらも父親に愛されて亡くなった少女・杉本則子を演じ、文部大臣新人賞、エランドール賞新人賞を受賞した。
これらを期に人気のバロメーターであるブロマイド俳優部門で売上1位になり、わが国におけるアイドルの魁となった。以降、テレビ、映画、舞台で時代劇をはじめ数々の作品やCMに出演、その活躍は目覚ましく、一時代を画した。
女優の傍ら日本舞踊「西川流鯉風派」の師範(西川まいさ)でもあり、「踊りは6歳の時から始めています。その時の流派は若柳流でした」。日本舞踊を一段とあでやかに彩る着物にも造詣が深く、「着物が大好きなんです」と、一時、京都で着物のプロデュースにも携わっている。
●芸能生活55年、間もなく古稀
子供の頃は虚弱児で喘息があり、運動神経が鈍く、走るのが苦手だったそうだが、「劇団ひまわりに入ってから元気になりました。子供心ながらも責任感を覚えたからでしょうか」芸能界に入り、今年で55年、間もなく古稀を迎える。これまで、盲腸で入院しただけで病気とは縁がなく、元気このうえないが、健康管理には細心の注意を払っている。「心肺機能がやや弱い」とのことから、二か月に一度、心電図検査を行っている。
踊りの稽古は月に五日間、三年前からは能を習っており、筋肉をほぐすために、ボディメンテナンスに10日ごとに通っている。自宅では気が向いた時にストレッチで体幹を鍛え、ウオーキングも1日7000歩を目途にしている。
●葛根湯、芍薬甘草湯、我神散を愛用
無理をしない、ストイックにはならない、を信条とし、就寝時間も特に決まりはないが、6時間はとるようにしている。食べ物に好き嫌いがなく、海老やカニなどの甲殻類と麺を好む。お酒は何でも嗜み、殊にウンダ―ベルグやカンパリソーダなど薬味系のリキュールには目がない。「何故か、薬くさいと安心するんですね。漢方は昔からのんでいて、風邪を引いた時や肩が凝った時は葛根湯、足がつると芍薬甘草湯を服用します。胃腸薬の我神散はネットで購入しています」
近時、芸能活動以外にも一般財団法人日本文化福祉財団を立ち上げ、副理事長として日本の伝統文化の伝承に務めるとともに被災地慰問活動、施設訪問、チャリティーライブなどの活動にも尽力している。
プロフィール
1954年(昭和29)3月2日東京生まれ、埼玉県戸田市育ち。
1966年、「劇団ひまわり」に3期生として入団し、少女モデルに。1968年、フルーツシリーズ/フルーツポンチ3、小山ルミ、羽太幸得子と共にスナッキーガールズに参加。
1974年、初舞台 芸術座森光子主演「安来節の女」妹役
趣味:音楽、読書、旅行(温泉、神社、仏閣)、ハーブ、アロマ研究
2022年9月7日、紀尾井小ホールで日本文化福祉財団ボランティア公演、芸能生活55周年チャリティー公演開催。