114号 (第38巻 第3号)2022年1月
新年の御挨拶
厚生労働省 医薬・生活衛生局長 鎌田 光明 |
明けましておめでとうございます。
年頭に当たり、本年の医薬品・医療機器等行政を展望し、所感を申し述べます。
新型コロナウイルス感染症については、昨年末、日本では「小康状態」とも考えられるものの、世界的にはオミクロン株の感染が拡大し予断を許さない状況であり、治療薬やワクチン、医療機器に対する期待は依然として高いものがあります。昨年は新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンをはじめ、医療機器や各種検査薬などを、優先かつ迅速に承認し、医療現場への供給に努めてまいりました。今後も、最新の科学的知見を踏まえ、有効性・安全性等をしっかりと確認し承認するよう尽力してまいります。
感染症の拡大等の緊急時において、国民の生命と安全を守るために必要な治療薬やワクチン等の早期実用化を可能とする緊急時の薬事承認の在り方については、ワクチン開発・生産体制強化戦略(令和三年六月一日閣議決定)等に基づき検討を進めてまいりました。昨年末の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会におけるとりまとめを踏まえ、必要な制度的対応を実施してまいります。加えて、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(令和三年十一月十九日閣議決定)に基づき、新型コロナウイルス感染症下においても継続的に医療を提供していただいている薬剤師・薬局への支援を引き続き実施いたします。
この他にも、我が国の医薬品・医療機器等行政が直面する様々な課題に積極的に取り組んでまいります。昨年は医薬品の製造過程における品質問題に端を発した医薬品の安定供給が問題となりました。製造販売業者及び製造業者の法令遵守体制の整備を義務化するとともに製造業者に対する無通告立入検査の強化、医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)の改正、行政処分基準の厳格化などに取り組んでおります。引き続き、業界団体や都道府県など関係機関と連携し、医薬品の品質確保のための対策を推進してまいります。
本年十二月には、トレーサビリティー向上のため、医薬品等の包装等へのバーコード等の表示が義務化されます。これは急速な少子高齢化、科学技術の進歩、グローバル化等のトレンドに的確に対処し、優れた医薬品等をより安全・迅速・効率的に提供するために必要なものです。関係者・自治体の皆様に丁寧に説明を尽くし、円滑な施行に向けて万全を尽くしてまいります。
薬剤師・薬局については、昨年、需給の将来予測や卒後研修などについての取りまとめを行いました。今後、薬剤師の判断と責任に基づき、初めての患者に対してもオンライン服薬指導が可能となるなど、薬剤師の責務や、薬局の在り方については、新型コロナウイルス感染症を契機として、医療環境の変化、情報科学技術の進展への急激な対応が求められており、将来を見据えた検討を進めてまいります。
医療機器として取り扱っております医療用ソフトウェアについては、デジタルヘルス社会の到来に伴って、医療の在り方を大きく変えることが期待される成長分野です。診断を補助するプログラムや手術等を支援するナビゲーションシステムのほか、治療効果を高めるための行動変容アプリなど、医療従事者や患者さんに恩恵を与えるプログラム医療機器が数多く実用化されるよう、我々としても柔軟かつ円滑な制度運用ときめ細やかな相談及び審査をしてまいります。
医薬品・医療機器等への迅速なアクセスを実現するためには、国際的な規制調和が不可欠です。国際ガイドラインの作成において引き続き日本が主導的役割を果たすとともに、PMDA アジア医薬品・医療機器トレーニングセンターを通じたアジア規制当局担当者に対する薬事規制に関する研修等の一層の充実を図り、アジア諸国等との規制調和を進めてまいります。
血液事業については、近年、献血血液を原料とする血漿分画製剤の需要が高まる一方で、献血可能人口や若年者の献血率が減少傾向にあります。懸念されていた新型コロナウイルス感染症の影響については、皆様の御協力により、これまでのところ献血率が大きく落ち込むことなく推移しています。今後も、安定的に血液製剤を確保すべく、日本赤十字社をはじめとする関係団体と連携し、若年層への普及啓発などの献血推進策に取り組んでまいります。
大麻については、検挙人員が七年連続で増加して、過去最多を更新しました。特に若年層を中心とした大麻乱用の拡大が顕著となっており、引き続き総合的な薬物対策の推進に取り組んでまいります。また、「大麻等の薬物対策のあり方検討会」において、大麻草の部位規制から成分に着目した規制への見直し、大麻から製造された医薬品の使用に関する見直し、大麻の「使用」に対する罰則の導入などについて、基本的な方向性がとりまとめられました。今後は、関係省庁と連携しながら、検討会におけるとりまとめの具体化を進めてまいります。
ウィズコロナ・ポストコロナの時代において、社会生活が大きく変化する中にあっても、薬剤師・薬局、有効かつ安全な医薬品、医療機器は、国民の生命や健康を支える上で普遍的かつ不可欠なものです。医薬品・医療機器等行政の重責を常に胸に刻みつつ、関係者の皆様とも率直な意見交換等を行いながら、これからも、より良い医療、より良い国民生活の実現に向けて取り組んでまいります。
医薬品・医療機器等行政に対する一層の御理解と御協力をお願い申し上げますとともに、本年の皆様方のますますの御発展と御多幸をお祈りいたしまして、新年の御挨拶といたします。
年頭ご挨拶
日本漢方生薬製剤協会 会長 加藤 照和 |
新年あけましておめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症は、引き続き予断を許さない状況にあります。お亡くなりになりました方へ哀悼の意を表し、ご遺族の方に心よりお悔やみ申し上げます。また、療養中の方々にお見舞いを申し上げますとともに、日々現場で闘っておられます医療従事者の皆様に心より御礼を申し上げます。
当協会では、昨年5月に「漢方の将来ビジョン2040~国民の健康と医療を担う~」実現のための「ロードマップ」および「5ヵ年アクションプラン」を策定しました。10年後および20年後の目指すべき状態である「あるべき姿」の実現に向かって対処すべき課題を設定し、それを解決していくための取り組みの方向性と活動の道筋を定めたものであり、本年もこれに基づいた活動を着実に進めます。
まず、漢方製剤等のさらなるエビデンス集積と有用性の確立に向けた取り組みです。本年1月より、高齢者疾患、がん支持療法等、漢方薬の効果が期待されている分野における医療経済学的研究を推進すべく、助成事業の募集を開始しました。この分野での研究者の発掘や、研究領域の裾野の拡大を通じ、漢方製剤等の発展やエビデンス集積の加速などに繋げていきます。
本年度の漢方将来ビジョン研究会につきましては、3月9日に研究会を開催すべく準備を進めています。日本東洋医学会はじめ大学病院等で行われている、新型コロナウイルス感染症の予防、軽症・中等症、重症化予防、後遺症などの各ステージにおける漢方薬の最新の研究成果、今後の展開についてご発表いただく予定です。
また昨年7月には、多成分系医薬品の剤形変更申請の手続きに関するガイドラインが制定されました。これを受けて、当協会の会員会社による剤形研究や剤形変更が申請されることを期待しています。
原料生薬の安定確保に向けては、新型コロナの影響により2年続けて訪中が叶わず、中国医保商会との日中交流が実施できませんでした。本年はオンラインの活用も想定しつつ、何等かの形で意見・情報交換の場を設けることにより、良好な関係を継続構築したいと考えています。
また、生薬の国内栽培に関しては、昨年も農林水産省の補助事業を活用した国内生産の推進・拡大に向けた説明会・相談会等を、農林水産省、厚生労働省など関係機関のご協力のもとで実施し、200名近くの方にご参加いただきました。この取り組みによる成果も出ている半面、省力化や収益性の向上など、課題も明確になってきています。国内の生薬栽培面積を2030年に現状の1.5倍、2040年に3倍にするという目標の実現に向け、引き続き取り組みます。
原料生薬の品質向上に向けましては、本年3月に厚生労働省医薬品審査管理課から通知発出される見込みの「局外生規2022」で、新たに14種の生薬・単味生薬エキスが収載されます。引き続き、生薬の日局、局外生規への収載の提案などを進めていきます。
医療用漢方製剤・生薬の薬価の問題については、2020年度薬価改定で医療用漢方製剤3成分、生薬5成分が不採算品再算定に適用されました。一方、2018年4月に生薬62成分が基礎的医薬品に適用されたものの、同じ生薬を原料とする医療用漢方製剤等にはいまだ適用されていません。引き続き医療用漢方製剤・生薬の基礎的医薬品への適用、不採算品再算定品への適用について活動していきます。
一般用漢方・生薬製剤に関しては、2017年から5年間の時限的な税制として始まったセルフメディケーション税制が更に5年間延長されることになりました。新たに非スイッチの42成分が加わることになり、一般用漢方・生薬製剤でも、マオウをはじめとした3生薬が配合された多くの製剤が対象となります。今後も税制の恒久化や全ての一般用医薬品を対象とする等の改正要望を支援するとともに、利用率向上のための情報提供など、国民の皆様にさらに漢方・生薬製剤を活用いただくべく啓発活動を継続していきます。
昨今、製薬業界において関係法令に違反する品質不正事例が相次いで発生し、残念ながら当協会会員会社においても、同様の違反事例がありました。コンプライアンス体制の整備は、改正薬機法により企業に課せられた義務となっています。改めて協会および会員会社が意識向上を図るとともに、会員会社のコンプライアンス体制強化のための活動を推進し、薬機法遵守、安定供給に向けた製造管理、品質管理等の体制の整備などの徹底を図ってまいります。
最後になりますが、当協会は自然の恵みを取り扱う業界団体として、会員会社一丸となって地球環境に配慮した活動を通じた持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。そして、会員相互の密接な連携のもと高品質な漢方製剤等を安定供給し、さらに安全性の確保と適正使用を推進してまいります。引き続き皆様に信頼され、漢方生薬製剤、生薬を通じて皆様の健康と医療に貢献できますよう本年も務めますので、当協会の活動に一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 長谷川 久(株式会社ツムラ)
- 医療用漢方製剤委員会
- 流通適正化部会
- 教育研修部会
-
MR継続教育(MR資格更新)
MR学習ポータルで8月からドリルが開始されているため、期限内の実施を依頼。2022年1月末日有効期限の方のみ24問or540問基礎教育年次ドリル全MR必須。270問とボリュームがある。 -
12月12日、第28回MR認定試験受験者への注意のご案内と新型コロナ感染対策の徹底
1)感染リスクを避ける行動をする
2)受験票に検温結果を記載する
3)受験者の「健康観察表」を保管する
4)試験会場入退出時は密を避ける - 有用性研究部会
- 日本東洋医学会EBM委員会への協力作業「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)」に関して、EKAT2019を日本東洋医学会websiteに公開した。(9月16日)
- 日本東洋医学会EBM委員会への協力作業「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG)」に関して、KCPG2022の作成にあたり、東邦大学医学メディアセンターにおいて、診療ガイドライン調査を実施した。(10月26日)
9月30日web会議を開催し、第228回・第229回理事会報告および関係委員会情報等について情報共有した。
創立40年史ワーキングチームへ委員会の推薦者として、委員長(広報兼任)と鈴木副委員長を選任し、活動を開始した。
12月7日に部会を開催し、公取協関連情報(特に新規研修問題等)や日薬連、製薬協情報、流通改善懇談会情報を共有した。また、臨床研究法(第4章関連)の施行状況調査(WEB調査)(調査担当者:慶応大学前田教授)の結果についても部会員へ情報共有した。
講演会開催について協議し、来年に日本保険薬局協会から講師を招いて開催する予定とした。
製薬企業MR として以下の二点について会員企業へ周知の依頼
生薬会議
生薬委員会 委員長 白鳥 誠(株式会社ウチダ和漢薬)
2021年度「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」 について
2021年9月22日の東京開催を皮切りに、東京都、北海道および福岡県の3地域で実施した今年度の地域説明会および相談会は、11月25日の第4回の福岡開催をもって終了した。コロナ禍のため、第1回の東京開催はオンラインのみの開催となったが、第2回以降は実地とオンラインの併用で開催した。最終回となった第4回の「生産団体および実需者によるパネルディスカッション」では、過去3回分の実需者および生産者からの意見を紹介し、農薬使用の課題や若い人が生産に携わりやすいような環境のサポート体制などにつて活発な意見交換が行われた。今年度の参加者は合計181名であった。
なお、第1回東京開催については、薬産協のホームページで動画を公開しているところである。
一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 中井 玲(クラシエ薬品株式会社)
- 一般用漢方製剤委員会
- ・委員会委員交代、適正使用推進部会部会員交代
- ・各部会活動報告
- ・日漢協創立40周年記念事業取組について報告
- ・第3回一般薬蓮5団体とPMDAとの審査実務意見交換会の報告
- ・広告審査会と広告研修会の報告
- ・局外生規への収載要望品目の仕分け案についての要望集約についての報告
- ・税制改正によるセルフメディケーション税制対象範囲見直しについての案内
- ・その他:連絡事項、トピックス等につき情報を共有
- 処方部会
- 一般用漢方製剤製造販売承認基準へ追加する候補処方を検討~製品化しやすい基準への見直し~
- ・削除候補処方の検討
-
・追加候補処方の追加提案
- *追加処方候補を絞り込むための判断基準:
- ・一般用漢方製剤としてふさわしい効能・効果が設定できる
- ・入手困難な生薬、安全性に疑問がある生薬を含まない
- ・基準収載処方と類似する処方、追加することの優位性がある
- ・市販品があり、広く使われる実績がある
- 適正使用推進部会
- 国立衛研「一般用漢方処方の確認票」メンテナンス
- ・会員各社に依頼し、「日本漢方生薬製剤協会による主な商品例」の商品差替えを実施。11月に日漢協ホームページを更新。
- その他
2021年10月20日 第3回委員会を書面開催
2021年12月13日 第4回委員会に向けての幹事会を開催
2021年9月8日、12月1日 集会・Web併用開催
2021年7月19日 書面開催
特になし。
生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)
AMED官民共同研究「配合生薬エキス製剤の実用化推進に資する品質評価技術基盤の開発研究(代表者:国立衛研 生薬部長 袴塚 高志)」(配合生薬班)において、当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)の承認基準原案の策定に向けた検討が進められており、当帰川芎製剤に関する行政文書の調査結果とともに、当委員会として洗練させた承認基準案を提出している。
当帰川芎製剤の次の検討テーマ候補である生薬主薬保健薬(ニンジン主薬製剤)の範囲拡大の可能性について検討するために、収集した臨床文献について、制度研究部会と製剤開発部会で分担して内容を精査しつつ、一般用医薬品・指定医薬部外品の承認基準や健康食品等を参考にしながら整理を進めている。
2022年以降も5年間延長されるセルフメディケーション税制について、厚労省 医政局 経済課から、9月27日付け事務連絡「令和3年度 税制改正による税制対象範囲見直し後のセルフメディケーション税制対象医薬品の厚生労働省への届出等について」が発出され、10月7日付けで「セルフメディケーション税制に関するQ&A」が更新された。また、12月14日付け事務連絡「セルフメディケーション税制対象品目(令和4年1月1日時点)の公表について」が発出され、ジリュウ、ナンテンジツ、マオウを含有する多くの一般用漢方生薬製剤が税制対象に加わったところだが、今後も税制の恒久化や全てのOTC医薬品を対象にする等の改正要望を支援するとともに、税制の利用率向上のための情報提供等を継続していく。
また、以下のように委員会等を開催し、PMDA一般薬等審査部との審査実務意見交換会での議論に関して、局外生規2022の状況について情報共有するとともに、一般用漢方製剤の広告表現、日漢協40年史(2023年発刊予定)WGへの提出トピックス、2022年度の事業方針や事業計画等について意見交換した。
幹事会:11月11日、
委員会、制度研究部会、製剤開発部会:12月20日
原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)
2021年8月20日、10月26日および12月15日に、本年度第3~5回委員会をWeb会議にて開催した。
委員会では、日局審議状況や局外生規2022に収載予定のオンジエキス、ヨクイニンエキス等の課題について議論し、また進捗状況を情報共有した。
- 漢方処方エキスの日局収載
- 局外生規2022
2021年12月1日に抑肝散加陳皮半夏エキスの新規収載案が意見公募された(2022年2月末まで)。本品目は、昨年すでに意見公募が終了している柴胡桂枝乾姜湯エキスとともに、18局第一追補(2022年10月施行予定)で新規収載される。
国衛研主催の第9回局外生規2022作成WG(最終回)が9月22日に開催された。そこで検討された内容を受けて、10月15日、11月10日に第8回および第9回局外生規検討連絡会議(医薬品審査管理課主催)が開催された。一部積み残し課題はメール審議され、新規収載生薬7品目(アルニカ、カントウカ、コツサイホ、スイギュウカク、ソウジシ、ヤカンおよびロクジョウ末)、また新規収載単味生薬エキス7品目(オンジエキス、コウジンエキス、サイコエキス、シャクヤクエキス、チンピエキス、ニンジンエキスおよびヨクイニンエキス)の収載案が最終的に了承された。あわせて既収載のイカリソウエキス、ガジュツ末、ジンギョウ、センナジツなど12品目の改正案も了承された。
局外生規2022(案)は、現在意見公募されており、意見にもとづいて一部修正後、通知発出は2022年3月と見込まれている。
国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョンプロジェクト
プロジェクトリーダー 味岡 賢士(株式会社ツムラ)
【提言実現プロジェクト】
12月21日WEB会議を開催し、2022年度事業方針、事業計画について検討を行った。またプロジェクト内アウトリーチチームにて検討中の日漢協におけるSNS 発信について情報共有を行った。
令和4年1月より「日本漢方生薬製剤協会医療経済学的研究に係る研究助成」を開始した。本助成は、「漢方の将来ビジョン2040」の実現を加速すべく、エビデンス集積と有用性の確立に向け、高齢者疾患、がん支持療法等の漢方薬が期待されている分野において医療ビッグデータ等を用いた医療経済学的研究(特定臨床研究は除く)に対し行うものである。
- 応募期間:2022年1月1日から2022年3月31日まで
- 応募資格:国内の大学、医療機関、研究機関等に所属し、かつ、応募に係る研究課題について 研究実施計画の策定や成果発表を行う研究者
- 研究期間:2022年5月1日~2023年3月31日
- 選考方法:提出された申請書に基づき、外部専門家ならびに事務局にて審査助成金額:総額200万円(1件50万円~100万円で数件程度)
- 応募様式は日漢協ホームページ内に掲載
総務委員会
委員長 永野 聡(株式会社ツムラ)
- 事業方針、事業計画、事業報告について
- 協会活動の効率的運営について
- コンプライアンスについて
- 環境活動について
- その他
第152回委員長会にて、2022年度の事業方針(案)・事業計画(案)の策定、2021年度事業報告の作成について説明し、各組織に依頼した。
「漢方の将来ビジョン2040」実現に向け、ビジョン実現検討班を開催した。
日漢協の事業活動に関するアンケート調査を再確認し、組織の見直しなどについて意見交換を行い、最優先検討事項として昨年度から継続協議していた「漢方将来ビジョンプロジェクト」の再構築について第229回理事会で承認された。
2021年2月に実施した「コンプライアンスの取り組みに関する実態調査」の解析結果を受けて、改正薬機法との関連を含め、白神誠先生(ファーマコエコノミクス研究会)によるコンプライアンス研修会(1月21日)を開催した。
会員会社に対する「環境の取り組みに関する実態調査」を2021年度より毎年1回実施するための検討を行い、アンケート調査を実施した。
2021年9月より、創立40周年記念事業プロジェクトの式典WGを設置し、活動を開始した。まずは、20周年、30周年における記念式典の内容を振り返り、40周年における記念式典のあり方について検討した。
広報委員会
委員長 犬飼 律子(株式会社ツムラ)
- 毎日新聞でのフレイル啓発企画実施
- 令和3年度 「薬用作物の産地化に向けた地域説明会および相談会」 について
- 第23回市民公開漢方セミナーについて
9月20日(月・敬老の日)に毎日新聞東京本社版でフレイル啓発企画を実施した。紙面は同日の朝刊全15段で、東京大学・秋下教授、東京都健康長寿医療センター・鳥羽理事長、国立長寿医療研究センター・大塚部長の取材内容と当協会の加藤会長による寄稿をもとに構成した。掲載後の反響調査では、特に40代男性で広告理解度、興味度、好感度、信頼度と、役に立つという印象を持っている割合が高かった。この割合は、15段モノクロ広告平均も上回る結果であった。
本事業に協力するため、広報委員会としてプレスリリースの発信や個別マスコミへの参加依頼等を行った。本年度は4回の開催で、リアル・オンライン合わせて延べ13社の記者に参加いただいた。その内容は医薬・農業系の業界紙を中心に記事化されたほか、札幌開催の説明会の模様は、当日夕方の北海道ローカルのニュースで約90秒にわたって取り上げられるなど、引き続き関心の高さが感じられた。
本年度は、2021年10月に順天堂医院に開設された「Long Covid 漢方外来」で、新型コロナ感染症罹患の後遺症の漢方治療に取り組む3名の先生にご講演いただくこととした。本年度も動画配信による開催とする方針で、2022年1月に映像収録、2月の配信を目指して準備を進めている。
国際委員会
委員長 小柳 裕和(株式会社ツムラ)
2021年10月4日と11月5日(メール配信)に国際委員会拡大会議を開催した。ISO/TC249のWG1,WG2の活動進捗などについて報告を行い、情報の共有化を図った。
- ISO/TC249関連活動では、国内対策委員会(1回)、国際会議(WG1:2回)に各メンバーが参加し、当協会から意見を積極的に提出し、各国から提案されたISO規格書に反映させた。
- 日薬連国際委員会から発信された情報「中国の薬局における薬剤師の法的責任:医薬品の品質管理」を事務局から会員会社に発信した。
- 第11回日中韓 生薬学会合同シンポジウムにおいて「業界オーガナイズド特別シンポジウム」を開催し、日中韓3国からの演者による高齢者に対する伝統薬医療や品質管理についての発表と討議が実施され、多くの方々に聴講いただいた。
- 日 時:2021年9月18-19日にWebで開催
-
座 長:合田幸広所長(国立衛研)
諸田隆副委員長(日漢協国際委員会) -
講演内容:① 日本:Mr.Shuhei MATSUI(Tsumura & Co)Clinical Research and Quality Controlof ‘Kampo Medicines’ in an Aging Society
② 中国:Mr.Huang way 兰州佛慈制药股份有限公司「参茸固本还少丸」について
③ 韓国:Prof Jong-sik JIN(Jeonbuk National University)Study on Novel Glycyrrhiza Variety to Register for Official Compendia
薬制委員会
委員長 栗田 宏一(クラシエ薬品株式会社)
薬事制度に関する事項、漢方・生薬製剤の関連法規および関係通知の調査研究、関係行政機関および諸団体との連絡ならびに意見具申を基本に活動している。
セルフメディケーション税制対象医薬品について
令和3年9月27日付けで経済課より「令和3年度税制改正による税制対象範囲見直し後のセルフメディケーション税制対象医薬品の厚生労働省への届出等について」が発出された。また、セルフメディケーション税制に関するQ&A 更新が10月7日に公表された。「租税特別措置法施行令第二十六条の二十七の二第三項の規定に基づき厚生労働大臣が定める一般用医薬品等」(令和3年厚生労働省告示第251号)が令和3年6月25日に告示され、42成分(生薬ではマオウ、ジリュウ、ナンテンジツの3生薬)が追加された。令和4年1月1日から適用することとされており、税制対象範囲見直し等の内容および税改後の税制対象医薬品の届出等について示された。
漢方生薬製剤では、告示された生薬を含有することにより、外用鎮痛消炎薬、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬、鼻炎用点鼻薬、鼻炎用内服薬、抗ヒスタミン薬またはその他のアレルギー用薬としての効能・効果を有すると認められるもの(「税改後追加対象医薬品」)は令和4年1月1日以降に税制対象として追加されることとなった。
技術委員会
委員長 高杉 泰弘(株式会社ツムラ)
2021年11月2日と12月17日に委員会を開催した。局方や局外生規関連をはじめとする各部会の活動進捗や日薬連品質常任委員会を通した規制当局の動きについて共有化を図った。
- 日局関連
- GMP等の法令遵守対応
- 不純物関連
- 日漢協ホームページ対応
第十八改正日本薬局方第一追補に収載予定の原案に関する意見の募集がされた。(令和3年12月分その1:12月1日から12月31日、令和3年12月分その2:12月1日から令和4年2月28日)
日薬連を通して行われた厚生労働行政推進調査事業費補助金活動である「知識管理及びクオリティカルチャー醸成への取り組み状況に関するアンケート」について、日漢協内の取組み状況や課題を把握するべく、情報収集に努めた。
厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課より発出された各通知(「医薬品の適切な製造管理の徹底について」等)に関する調査で挙げられた課題や要望についてアクションプランを策定した。
残留農薬に関する定期調査(2016年度)を生薬学雑誌へ投稿した論文の審査所見について対応し、10月21日に再提出した。
日漢協ホームページの生薬一覧について、第十八改正日本薬局方への対応を行った。
安全性委員会
委員長 香取 征典(株式会社ツムラ)
- 医療用医薬品添付文書の新記載要領
- 添付文書の電子化
- 第38回和漢医薬学会学術大会
PMDAとの医療用漢方・生薬製剤の新記載要領に関する相談が2021年度から始まり、漢方・生薬製剤特有の問題点等の課題や検討結果を反映させた改訂相談結果を作業WGで共有し改訂相談準備作業を進めている。
2021年度第2期相談品目分の改訂案を6月末に担当各社より提出し、それに対するフィードバックが10月及び11月に実施された。コロナの影響により相談スケジュールに変更が生じたが、引き続き2021年度第4期相談品目分の改訂案を12月末に提出し、2022年度第1期相談品目への対応を進めているところである。
生薬製剤については日本生薬連合会と連携し、来年度から始まる新記載改訂相談対応に向けて調整を進めている。
改正薬機法に伴う添付文書電子化が2021年8月1日より施行され、2年間の猶予期間内に各社で対応しているところである。関連通知や最新情報を共有し、各社が適切に対応できるよう進めている。
今後も引き続き最新情報の収集や共有化を進めていくとともに、生薬製剤については日本生薬連合会と連携を深めながら対応を進める予定である。
昨年9月に開催された第38回和漢医薬学会学術大会の「シンポジウム1:リスク管理計画(RMP)と漢方製剤」にて、業界代表シンポジストとして香取安全性委員長が「漢方製剤の安全性確保における業界・企業活動」と題して講演を行った。日漢協における医薬品安全性監視とリスク最小化活動への取組み、適正使用推進に資する研究活動事例、さらなる適正使用推進に向けた活動などについて説明した。
コード委員会
委員長 松塚 泰之(クラシエ薬品株式会社)
12月7日のコード委員会で、OTC薬協広告委員会W から検討を依頼された満量処方の広告標記に関する検討を実施した。意見を取りまとめて日漢協としてWGに提案する予定である。
昨年に続き、2021年度販売情報提供活動ガイドラインに関する社内体制整備に関するアンケートの内容を確定した。1月中に会員会社へ依頼して取りまとめる予定である。
本年度の製品情報概要等審査について製品情報概要審査部会を開催し審査を開始した。3月には審査結果を取りまとめる予定である。
保険薬価委員会
委員長 坂上 誠(株式会社ツムラ)
保険薬価委員会は、9月14日、10月12日、11月9日、12月14日にWEB会議を開催し、2022年薬価改定へ向け、医療用漢方製剤等の基礎的医薬品・不採算品再算定について協議した。
10月4日に厚生労働省医政局経済課(以下、経済課)より、「基礎的医薬品」への希望確認についての事務連絡があり、10月15日の提出期限までに、基礎的医薬品候補品目該当性確認書、整理表を各企業より提出した。
さらに11月25日に経済課より「令和4年改定不採算品再算定について(正本等の提出)」の連絡があり、日漢協として取りまとめた不採算品再算定希望品目について、全ての製造販売会社より正本等を12 月3 日の期日までに提出した。
また、社会保障制度に係る議論など関係する審議会等の情報を共有した。
湘南医療大学薬学部 天然物化学研究室 片川 和明 准教授
生理活性複素環式天然有機化合物の探索および合成と応用
人を尊び、命を尊び、個を敬愛す
日本で最も新しい大学の一校である湘南医療大学は、2015(平成27)年4月、鳥取看護大学、長野保健医療大学と並び開学しました。保健医療学部(看護学科、リハビリテーション学科)の単科大学としてスタートした4年後の2019年に保健医療学研究科修士課程を開設、そして昨年4月に薬学部医療薬学科が設置され、総合大学への一歩を踏み出しています。
「人を尊び、命を尊び、個を敬愛す」を建学の理念とする同大学の運営母体は、1994年に設置された(学)湘南ふれあい学園です。
現在、同学園は1大学、4専門学校、1認定こども園を擁し、神奈川県で指折りの学校法人に発展しています。
オープンラボ(open laboratory)
わが国の最新の大学であり、さらに和歌山県立医科大学と共に最新の薬学部でもある湘南医療大学薬学部は、港町・横浜の緑豊かな丘陵地の閑静な住宅街の一角に位置し、キャンパス内の校舎は格調高い異国情緒を醸しています。臨床に強い薬剤師を育てます…を掲げる同学部ではその育成にむけて以下の教育・研究体制を柱にしています。
①臨床一貫型連携教育体制 ②異分野の研究に触れる共同研究環境(オープンラボ) ③多職種協働
三本柱の中で注目されているのがオープンラボです。これは研究室ごとに設置されていた実験室の壁を外してオープン化することにより、異分野の研究者との情報の共有や交流等を促進し、研究の更なる発展を期すべく設けられたもので、新たな試みとして成果が期待されています。
有機化学に立脚した天然有機化合物に関する研究
片川 和明 准教授
真新しい薬学部棟
図書館
片川准教授はこれまで「ヒカゲノカズラ科リコポジウムアルカロイドの探索と化学的構造研究」、「ベンザインを反応性中間体とするベンゾクロメン系天然物の合成研究」などに取組んでいました。今後は
- -植物や微生物を対象とした生理活性複素環式化合物の探索と合成及び応用に関する研究
- -薬効の根拠となる化合物や特異的化学成分の探索研究
- -新規生理活性の探索等に基づく既存生薬の新たな利用性の開発研究
- -様々な環境下での化学成分変化と遺伝子発現に関する研究
以上を研究テーマとしており、新天地での活躍が待たれています。