100号 (第34巻 第1号)2017年5月
第68回日本東洋医学会学術総会 会頭 金子 幸夫(金子医院 院長) |
この度、第68回日本東洋医学会学術総会を平成29年(2017年)6月2日(金)より4日(日)までの日程で、名古屋国際会議場にて開催させて頂くことになりました。
今回の学術総会のメインテーマは、「漢方医学の確立:協調と発展に向かって」と致しました。日本の漢方医学は江戸時代に入って古方を中心として発展してきましたが、EBM漢方、後世方、中医学などの古方とは異なった治療法も包括しているのが現状であります。種々の流派が協調しながら日本の新たな漢方医学を確立して発展させるべきであると考え、今回の学会の目標とさせて頂きました。
今回の学術総会では、特別講演として佐藤弘先生に「漢方医家から見た医の倫理」、花輪壽彦先生に「漢方診療35年の経験から」、松田邦夫先生に「古典は臨床医の目で読む−自験例から考える−」と題して御講演を頂きます。また、教育講演として河村典久先生に「本草学者「丹波修治」」、小曽戸洋先生に「漢方の多様性」、山際幹和先生に「咽中炙臠~不可解な咽中の怪~」、木村容子先生に「女性と漢方」、田澤寛子先生に「地域医療における漢方の役割」、石野尚吾先生に「女性のライフサイクルと漢方・針灸治療−健康増進のために−」、小田口浩先生に「COIにおける漢方標準化の取り組み」と題して御講演を頂きます。伝統医学セミナーでは、「嗅覚障害の診療に及ぼす伝統医学のインパクト」と題する3名の講師の先生の御講演を予定しております。
シンポジウムは、特別シンポジウム2題と一般シンポジウム17題を予定しました。漢方入門講座は30分の講義を1単位とし、漢方の診断方法や臨床の領域における漢方の治療法など合計で18単位の講義が行われます。この外に針灸特別セミナー、針灸の基礎実習、スポンサードセミナー3題、ランチョンセミナー6題などを予定しております。
日本漢方生薬製剤協会(日漢協)との共催の市民公開講座は、「漢方と針灸の知恵で幸せに生きる~オキシトシンの恵、未病と養生~」というテーマで、6月4日(日)の午後2時30分から午後4時30分まで開催します。講師の先生は2名で、高橋徳先生には「東洋の叡智が現代に蘇る~オキシトシン健康法~」という演題で、脳内のオキシトシンの分泌を促す健康法を、丁宗鐵先生には「漢方の知恵~未病と養生~」という演題で、天寿を受け入れる生命観、中庸を理想とする漢方の健康観、「摂養」の知恵が生み出す新しい未病医学などを、御講演頂きます。
日漢協からは、市民公開講座の開催にあたり多大のご協力を頂きましたことを、ここに厚く御礼申し上げます。
6月3日(土)の夜は、会員の懇親会を開催致します。この席では東海地区(三重、愛知、岐阜、静岡)の地酒を用意しますので、先生方におかれましては美味しいお酒を召し上がりながら御歓談して頂きたいと思っています。なお、プログラムと日時などの詳細は、総会のホームページを御参照下さいますよう、お願い申し上げます。
http://www.ccs-net.co.jp/touyo68/
日本漢方生薬製剤協会 会長 加藤 照和 |
2017度は、新たな5ヵ年計画・中長期事業計画2017のスタートの年であります。
これまでの中長期事業計画2012の成果を踏まえ、明確になった課題の解決に向けて積極的に活動を行ってまいります。
この5年間の最も大きな成果のひとつは、2016年度、日本東洋医学会との共催で、また多くの方々のご支援で実現いたしました「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」であります。
『漢方』が国民の健康と医療にいかに貢献すべきであるか、植物を中心とした原料生薬から原薬エキス、最終製品に至るまでの品質確保と、医療の現場への安定供給をめぐる課題などを共有し、明確な「漢方の将来ビジョン」を描くことで、産官学・国民で連携して取り組むべき課題を整理し、スピード感を持って解決に導くことを、この研究会の目的としてスタートいたしました。
研究会の会長には日本医学会会長の髙久史麿先生を、そして代表世話人には国際医療福祉大学副理事長・名誉学長の北島政樹先生をお迎えし、国内トップオーソリティの先生方から多岐にわたる貴重なご意見をいただき、3月には提言書が発表されました。大変お忙しいスケジュールの中ご参加いただきました、研究会組織のメンバーの先生はもとより、各研究会でご発表いただいた先生、行政・関係団体の皆様に、改めまして厚く御礼申し上げます。
研究会の提言は、国が目指す「健康長寿社会の実現」や「新オレンジプラン」「がん対策加速化プラン」のもと、がん支持療法・フレイルなどの高齢者疾患に対する漢方製剤のエビデンスの構築を加速化すべきであり、産官学の連携による研究を加速し、国民へ説明しながら進めるべきであるというものであります。
私ども日漢協といたしましては、これらの提言内容を早期に実現すべく、新中長期事業計画2017に盛り込み、取り組んでまいります。
がん治療に伴う副作用、術後の合併症・後遺症に対する漢方治療の必要性、いわゆる支持療法に関する漢方薬の臨床効果が報告されています。例えば、食欲不振、末梢神経障害、口内炎などに対する治療効果などですが、さらに研究を推進し、エビデンスに基づく診療ガイドラインへの掲載を目指します。広く治療に役立てられることにより、療養生活の質を向上させ、さらには患者様が無理なく仕事と治療を両立できるよう貢献してまいりたいと考えております。
高齢者疾患におきましては、身体機能と認知機能が低下して虚弱となった状態であるフレイルに対して、西洋薬と違ったメカニズムを持つ漢方製剤の可能性が期待されています。適切な運動や食事とともに、食欲亢進、神経症や不安症などの緩和、転倒リスクの軽減など、重症化対策としての治療に有効な漢方製剤のエビデンスの構築をさらに加速し、健康寿命の延伸に貢献してまいりたいと考えております。
また、漢方製剤等の品質確保と安定供給に向けた取り組みに関しましては、多成分系医薬品としての「リポジショニングや新剤形等のための品質保証および承認申請に資するガイドライン」の整備を目指すよう、日漢協として積極的に協力してまいりたいと考えております。これまでガイドラインがないため困難でありました、高齢者やがんの患者様でも服用しやすい剤形の開発にも取り組んでいけるものと考えております。
同時に、日漢協の最重要課題であります「原料生薬の品質確保と安定確保の推進」につきましても、国内栽培を推進するため、関係団体との連携により優良種苗の選抜や保存、そして増殖法の検討を行い、大規模機械化栽培をはじめとする、新規栽培方法の開発を産官学の連携を含めて加速させてまいります。さらに、国内における生薬栽培の目標量や生産コストに関する研究、希望取引価格帯の明確化などに取り組んでまいります。
そして、漢方製剤が国民医療に貢献し続けるために、医療保険制度において基礎的医薬品として位置づけ、薬価の安定化策を講じるべきであるとの提言もいただきました。日漢協といたしましても上部団体である日薬連を通じまして、広く臨床現場で使用されている汎用性が高い漢方製剤については、基礎的医薬品として位置づけ薬価の安定化策を講じていただくよう要望してまいります。
もう一つ研究会で興味深い発表がありました。DPCデータという1,000施設を超える大学病院を含む大・中規模病院の入院診療の詳細データ、いわゆるビッグデータによる解析により、漢方治療で医療費抑制効果が認められたというものです。がん手術後の合併症で、大建中湯の投与により入院日数が優位に減少し、入院医療費が抑制できる、また、入院認知症患者様に投与される睡眠薬による転倒骨折頻度において、抑肝散が骨折リスクを減少させた、という漢方製剤の経済的評価に関する科学的根拠が示されています。日漢協といたしましても、広く国民の皆様に知っていただくために、積極的に情報発信してまいります。
これらの提言を受けまして、日漢協内に委員会横断的な新たなプロジェクトを設置し、スピード感をもって着実に実行するとともに、その進捗や成果について国民の皆様に発信してまいります。
これらに加えて日漢協が取り組む課題としては、国民の自発的な健康管理や疾病予防の取り組みを促進するセルフメディケーションについて、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」を一般薬連とともに情報発信してまいります。また、漢方製剤・生薬製剤が、2017年1月から施行されましたセルフメディケーション税制の対象となるよう働きかけてまいります。
そして、2017年で4年目となりました「日中伝統薬交流」も、4月に中国商務省の直轄機関である中国医保商会の孟冬平副会長が、新団長として訪日団を組織し来日され、東京ビッグサイトで意見交換をいたしました。日漢協は中国医保商会のパートナー団体として、生薬の安定確保に向けた強い信頼関係を構築してまいります。
このように新たな5ヵ年計画「中長期事業計画2017」を着実に進めることにより、私ども日漢協は、国民の皆様の健康と医療に、微力ながらお役に立てますよう尽力してまいります。皆様におかれましては、引き続き、変わらぬご支援ご鞭撻をお願い申し上げます。
(株式会社ツムラ 代表取締役社長)
医療用漢方製剤会議
医療用漢方製剤委員会 委員長 長谷川 久(株式会社ツムラ)
医療用漢方製剤委員会 集合写真
流通適正化部会 集合写真
有用性研究部会 集合写真
- 医療用漢方製剤委員会
- 流通適正化部会
- 教育研修部会
- MR漢方教本Ⅱの「学習確認のためのドリル」を改訂し、PDFとして掲示した。ファイルは、フォーマットを統一し解答付と解答なしの2パターンを制作し、使いやすくした。MR教本ⅡのPDFファイルと共に、MR教育研修に活用いただきたい。
- 2月2日(木)教育研修部会研修会を開催した。MR漢方教本Ⅰについて、改訂あるいはデジタル化の可能性と問題点を話し合った。今後は会員会社にアンケートを行い、ニーズについて調査を行うと同時に、具体的に制作に必要な課題を議論して行く予定である。
- 来期の定例部会では、今期よりもビジネスマナーやインストラクションなどの教育研修を充実させたいと考えている。また、薬用生薬を学ぶことが出来る植物園の視察を実施する。これまで視察を行った植物園の一覧を作成して活用していただけるように考えている。
- 有用性研究部会
- PMDA(医薬品医療機器総合機構)の添付文書情報(2016年5月11日時点)を元に「医療用漢方製剤2016-148処方の添付文書情報-」(2014年版の改訂)の冊子を作成した。日漢協ホームページにも製本印刷用としてPDFを公開した。
- 日本東洋医学会EBM委員会への協力として、「漢方治療エビデンスレポート」のAppendix 2015を公開した。主に2014年に論文掲載された29の漢方薬のRCTを追加した。次回改訂は、EKAT 2016として全面改訂を夏頃に予定している。
委員会メンバーの協力のもと、「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン」の調査を行った。今後、年2回のペースで実施していくこととした。
11月に実施した「コード理解促進月間」の会員会社へのアンケートを行った。
平成28年度は製薬協で行っている内容を参考に実施したが、アンケート結果からは日漢協の独自性を出して行うべきなどの意見を踏まえ、平成29年度のコード理解促進月間については再考することとした。
2月13日の部会終了後に(株)じほう 佐下橋氏より「医療制度改革決定プロセスと経済財政諮問会議」と題してご講演いただいた。当日の聴講者は会員各社から27名の参加があり、情報を共有した。
生薬会議
生薬委員会 委員長 浅間 宏志(株式会社ウチダ和漢薬)
薬用作物産地支援体制
整備検討会の様子
上記検討会委員の先生方
生薬委員会 部会風景
- 農林水産省の平成28年度予算「薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業」の実施結果と
その評価について - 生薬(薬用作物)の生産拡大に関する要望票2016について
一般社団法人全国農業改良普及支援協会と当協会が共同で設置した“薬用作物産地支援協議会”は、3月1日、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 薬用植物資源研究センター長の川原信夫先生をはじめとする薬用作物に関する専門家の先生方を迎え、第2回薬用作物産地支援体制整備検討会(以下、検討会)を東京赤坂の三会堂ビルにて開催した。
検討会では、平成28年度農林水産省の標記支援事業の課題である事前相談窓口の設置、地域相談会の実施、栽培技術研修会の実施および調査・分析について、それぞれ結果報告があり、また結果の評価について活発な意見交換が行われた。日漢協は、主に事前相談窓口の設置と地域相談会の実施を担っており、これらについては良好な評価をいただいた。本活動で得られた知見は今後の活動に反映させていきたい。
農林水産省の上記支援事業の当協会担当課題である“薬用作物の産地化に向けた地域相談会”(以下、地域相談会)が昨年12月に終了し、その後生産者サイドから実需者とのマッチングを目指す要望票(試作栽培や生産栽培、あるいは成果物の販売希望を示したもの)が当協会に寄せられた。
昨年度までのブロック会議のときは一般的・抽象的な内容の要望票が多かったが、今回の要望票は、上記事前相談窓口に寄せられた質問や問い合わせ、地域相談会での個別相談などの対応が活かされ、種苗の入手や試作状況、今後の計画などより具体的な内容が示されている。寄せられた要望票の約7割で、現在折衝が開始されている。
一般用漢方製剤会議
一般用漢方製剤委員会 委員長 長島 義昌(クラシエ薬品株式会社)
一般用漢方製剤会議 集合写真
- 一般用漢方製剤委員会
- くすり相談部会
- 事例報告 ・相談、苦情への回答・対応の検討。
- トピックスG ・トピックスの収集と共有化。
- 相談事例集Q&A作成 ・約50例の紹介を予定。年度内の完成を目指す。
- その他 ・一般薬連「お客様相談業務に関するアンケート」は2/28に結果配信が行われた。
- 処方部会
- 追加処方使い分け資料内容の検討 ・「口内炎」、「目」、「耳」領域に使用する22処方、「咳」・「のど」領域に使用する18処方について使い分け作業結果を検討し、使い分けシートを作成した。
- 新領域の検討 ・追加81処方について各論検討は終了。次回からはまとめ作業を実施予定。
- 適正使用推進部会
- 「使用者確認票」裏面英訳作成について ・進捗状況、疑義、気付きをもとに議論、文書フォーム形式を確定。
- その他連絡事項、トピックス等 ・連絡事項、トピックス紹介、共有化。
- その他
- Web版「漢方セルフメディケーション」 ・国立衛研は「処方鑑別シート」で処方を選び、「使用者確認票」で服用の可否を確認するようなWebコンテンツ「漢方セルフメディケーション」を作成。平成28年1月に完成、公開された。
- 日薬連安全性委員会くすり相談部会参加 平成28年1月27日(金)14:00~17:00
平成29年1月24日(火)開催
・各部会からの活動報告。
・来年度、くすり相談部会が安全性委員会に移管されることについて合意された。
*委員会でのくすり相談部会の活動報告は継続予定。
・くすり相談部会移管に伴う業務分掌の検討。
・中長期計画2012の最終報告。
・平成29年度事業計画案、予算案の検討。
・市民公開漢方セミナー(11月14日開催)の振返り、今後に向けて課題の検討。
・その他連絡事項。
・冊子配布ではなく、日漢協ホームページへ掲載を行う。
*随時更新・メンテナンスが可能。
・一般用漢方製剤委員会から安全性委員会への移管にあたり、改めて部会員募集を行った。
・繁用11処方につき文書フォーム形式にて作成。監修依頼中
・日漢協HPにリンクを張りバナー表示にて対応。
・β版完成時、適正使用部会より意見を取りまとめ国立衛研へフィードバックを行った。提案した意見の一部は完成版に反映された
東京薬事協会
・各加盟団体(9団体)の活動報告を実施、情報を共有。
・医薬品相談事業担当者連絡会(12/14実施)でのPMDA・薬剤師会・日薬連の活動報告内容について情報共有。
生薬製剤会議
生薬製剤委員会 委員長 和田 篤敬(小林製薬株式会社)
並木先生による講演会
(2017/3/28)
生薬製剤委員会 集合写真
生薬製剤の活性化を目標に、その範囲拡大と開発環境の整備について検討を進めており、「当帰川芎製剤(実母散等)承認基準(案)」と、その提案資料を取り纏めているが、引き続き、制度研究部会では本承認基準(案)の収載生薬の組み合わせについて、承認前例や既存の承認基準の情報を基にマトリクス表を取り纏めている。製剤開発部会では、本承認基準(案)への新たな収載候補生薬についての基礎調査と提案資料のアップデートを検討している。
また、当帰川芎製剤(いわゆる婦人薬)に関連したレポートの作成を千葉大学医学部附属病院 和漢診療科長・診療教授 並木 隆雄 先生にお願いしており、これに関連して、「東西医学の融合の観点から考えた新規一般用生薬製剤創薬のヒント−婦人薬を中心に−」と題した講演会を平成29年3月28日にKKRホテル東京で開催した(Web「日漢協トピックス」に掲載)。他委員会からの参加者も含め33名の聴講者があり、活発な意見交換が行われた。婦人薬の見直し、すなわち当帰川芎製剤における新たな生薬の組み合わせを考える良い機会となった。
ここで、本承認基準(案)の実現に向けては、国立衛研袴塚高志生薬部長の指導で、平成29年度 日本医療研究開発機構(AMED)の創薬基盤推進研究事業の官民共同研究の1つとして採択された「配合生薬エキス製剤の実用化推進に資する品質評価技術基盤の開発研究」(配合生薬製剤班)として取り組まれることとなった。今年度から新たに始まる共同研究からの学びを生かしながら、引き続き、当帰川芎製剤などの生薬製剤の活性化に向けて取り組んでいきたいと考えている。
原薬エキス会議
原薬エキス委員会 委員長 佐々木 博(日本粉末薬品株式会社)
原薬エキス会議 集合写真
平成28年12月7日および平成29年2月22日に、平成28年度第5回および第6回原薬エキス委員会を開催した。委員会では、中長期事業計画2012の原薬エキス委員会担当部分のまとめ、平成28年度事業報告および平成29年度事業計画案などについて検討した。また、日局キキョウ流エキスおよびカンゾウエキスの改正案について、詳細な検討を行った。
- 中長期事業計画
- 事業報告および事業計画案
- 日局単味生薬エキスについて
- 局外生規2018について
中長期事業計画2012については、当委員会担当の課題「原薬エキスの規格・試験法の設定」について、この5年間の活動成果をまとめた。局外生規への初の単味生薬エキスの収載、単味生薬班で検討された「生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンス」などについて、報告書に記載した。なお本報告については、まとめ役の一般用漢方製剤委員会経由で総務委員会に提出した。
また、中長期事業計画2017(案)についても検討し、併せて総務委員会に提出した。
原薬エキス会議の平成28年度事業報告案および平成29年度事業計画・予算案について、委員会で検討後、併せて総務委員会に提出した。
日局キキョウ流エキスおよびカンゾウエキスの改正案について検討中である。いずれも製法の項に工業的製法を追記することを主眼に、その他TLCを用いた確認試験への変更、並びに純度試験(ヒ素)、アルコール数など新規規格項目を設定する方向で、詳細な検討を行っている。
平成28年10月に国立衛研袴塚高志生薬部長から、局外生規2018への新規収載および既収載品目の改正要望の取りまとめ、次いで平成29年3月に「局外生規2018検討WG」(以下、検討WG)への参加要請があった。
委員会で検討し、局外生規2015で初めて収載されたアカメガシワエキスなど3品目の単味生薬エキスの一部改正要望を提出した。
また局外生規2018では、多数の単味生薬エキスの新規収載が予想されることから、検討WGへの当委員会からの参加者は複数名とすることとした。
コード審査会
代表委員 松塚 泰之(クラシエ薬品株式会社)
コード審査会では、製品情報概要等の広告審査を平成28年11月から3回に渡って製品情報概要実務部会で行った。平成28年度の製品情報概要等の審査対象資材は会員会社へ依頼し、提供された資材(一部広告はモニタリング)である。合計47資材で、製品情報概要が21資材、広告が26資材であった。審査結果は「不適切」0件、「好ましくない」0件、「話題」11件、「可」36件であった。昨年に比べて「好ましくない」は5件減少、「話題」が3件減少した。なお、審査結果については第202回理事会で会員会社へ報告し、厚生労働省へは平成29年5月に審査会レポートを持参して報告予定としている。
保険薬価協議会
委員長 丸木 希望(株式会社ツムラ)
保険薬価協議会および保険薬価部会は、状況に応じて下記の会議を開催した。
1月17日 | 保険薬価協議会 |
1月31日 | 保険薬価協議会・保険薬価部会 正副委員長会 |
2月7日 | 保険薬価協議会・保険薬価部会 合同会議 |
2月23日 | 医療用生薬関係会社 不採算品再算定対応ワーキング |
3月7日 | 保険薬価協議会・保険薬価部会 合同会議 |
3月23日 | 保険薬価部会 |
保険薬価協議会 集合写真
2月7日の合同会議までの主たる議題は、「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」の「フォーラム」の準備と運営に関する討議と情報共有である。2月23日以降は、今後の薬価制度改革に対する具体的な対応方法を協議した。
また、中央社会保険医療協議会の審議状況、日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会の活動状況に関し情報を共有した。
2月9日に開催された「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」の「フォーラム」では、横倉義武 日本医師会 会長の特別講演、佐藤弘 日本東洋医学会 会長の指定講演の後、「研究会Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」の「報告と提言」をそれぞれの総合司会の労を担っていただいた、北島政樹 国際医療福祉大学 副理事長・名誉学長、鳥羽研二 国立長寿医療研究センター 理事長、近藤達也 医薬品医療機器総合機構 理事長からいただいた。
最後に、本研究会にご参加いただいた全ての先生によるディスカッションが行われ、研究会の提言骨子がとりまとめられた。
運営は、広報委員会、総務委員会、安全性委員会、生薬委員会、一般用製剤委員会、生薬製剤委員会、有用性研究部会、流通適正化部会、事務局の協力を得て無事終了した。なお、「報道関係者向け説明会」は広報委員会に担当していただいた。
当日はNHKの収録もあり、その内容は3月18日にEテレで放送された。
3月17日には、本研究会会長の髙久史麿 日本医学会 会長と代表世話人の北島政樹 国際医療福祉大学 副理事長・名誉学長から、研究会の提言書を発表していただいた。
1月20日に開かれた正副会長会、理事会において、11月21日開催の「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」の「研究会Ⅲ」の開催結果と「フォーラム」の準備状況について報告した。
3月17日に開かれた正副会長会、理事会においては、2月9日に開催された「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」の「フォーラム」開催結果について報告した。また、3月末に日本製薬団体連合会に提出した、「平成30年度の薬価改定並びに薬価算定ルールの見直しに係る日本漢方生薬製剤協会の意見(案)」のとりまとめについて報告した。
3月23日には上記意見書を、日漢協発第155号として日本製薬団体連合会宛て提出した。
総務委員会
委員長 菅沢 邦彦(株式会社ツムラ)
総務委員会 集合写真
- 平成28年度「事業報告」の取りまとめと調整を行った。
- 平成29年 年事業計画(案)を策定し、第202回理事会・第47回正副会長会に上程して承認された。
- 「中長期事業計画2012(5ヵ年計画)」の最終報告の取りまとめと調整を行い、第202回理事会・第47回正副会長会に報告した。
- 中長期事業計画2017(5ヵ年計画)(案)を策定し、第202回理事会・第47回正副会長会に上程して承認された。
- 平成28年度予算計画に基づく予算執行状況の検証と確認を行った。
- 平成29年度予算計画(案)の検証と確認を行った。
- 出張旅費規程の一部改正(案)を策定し、第201回理事会・第46回正副会長会に上程して承認された。
- 入会規程の一部改正(案)を策定した。
- 組織の見直しについて委員長会で協議し、くすり相談部会を一般用漢方製剤委員会から安全性委員会に移管することとし、第202回理事会・第47回正副会長会に報告した。
- 改正個人情報保護法の対応について、日薬連個人情報委員会に参画し、ガイドライン改訂の検討を行った。また、進捗状況を第202回理事会・第47回正副会長会に報告した。
- 第202回理事会後、以下のとおり講演会を開催した。 演題:「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」の振り返りと今後の課題
講師:一般社団法人 日本東洋医学会 会長 佐藤 弘 先生
国際委員会
委員長 塩本 秀己(大正製薬株式会社)
国際委員会 集合写真
国際標準化機構(ISO)に中国伝統医薬の国際標準化を議論する専門委員会(ISO/TC249)の生薬に関わるワーキンググループ(WG1)の会議が中国・上海で11月21日に開催された。会議は、中国、韓国、独などから参加し、生薬原料に係る新たな標準化案を検討段階に進めるか議論が行われた。日本東洋医学サミット会議の先生方と協力し、日本薬局方などの国内法に影響が生じないよう、検討に加わっている。
技術委員会
委員長 松本 和弘(株式会社ツムラ)
株式会社三光丸GMP適合工場見学
漢方処方エキスの日局収載については、日局18に向けた収載候補18品目のうち白虎加人参湯と呉茱萸湯2品目を、日局17第二追補で収載すべく優先品目に選定し、現在試験法等を精力的に検討している。
厚生労働科学研究「GMP,QMS,GTP及び医薬品添加剤のガイドラインの国際整合化に関する研究」において、当委員会から「品質リスクマネジメント及び医薬品品質システムに関する研究」に参画し、管理モデルの作成に協力した。また、「GMP省令改正」についても継続検討中である。
薬制委員会
委員長 栗田 宏一(クラシエ薬品株式会社)
薬事制度に関する事項、漢方・生薬製剤の関連法規及び関係通知の調査研究、関係行政機関及び諸団体との連絡並びに意見具申を基本に活動している。
- 一般用漢方製剤等の地方委任について 平成29年3月28日告示により、一般用漢方製剤のうち日局収載漢方処方エキス28処方については製造販売の承認の権限が都道府県知事に委任された。それに伴い、「一般用漢方製剤承認基準」(平成24年8月30日審査管理課長通知)は、「一般用漢方製剤製造販売承認基準」(平成29年3月28日医薬・生活衛生局長通知)に名称が改められた。
- 日薬連・法規制合理化検討プロジェクト 製造実態一斉点検後、法規制の合理化を検討するためのプロジェクトにおいて、具体的な検討を行うタスクフォースが設置され、承認事項の変更手続きなど各課題について検討している。
また一般用生薬製剤(煎剤用)は平成29年度中に、承認権限が都道府県に権限委譲される予定である。
安全性委員会
委員長 塚本 理史(株式会社ツムラ)
安全性委員会 集合写真
- 平成29年1月 医療用漢方製剤半夏瀉心湯の「使用上の注意」改訂
- 医療用医薬品添付文書新記載要領について
医療現場において、口内炎に用いる半夏瀉心湯の服薬コンプライアンスを上げることを目的に、以下の通り、使用上の注意に「7.適用上の注意」を新設する改訂を実施した(錠剤除く)。
7.適用上の注意
服用時:口内炎に対して本剤を使用する場合は、口にふくんでゆっくり服用することができる。
医療用医薬品添付文書新記載要領の通知発出に関連し、添付文書届出が平成31年4月から可能となる様、PMDAのシステム改修が検討されている。添付文書届出制に伴い、XML作成方法や届出制の仕組み等について、日薬連安全性委員会等と情報の共有化を図っている。
広報委員会
委員長 鈴木 登(株式会社ツムラ)
広報委員会 集合写真
- 一般市民への啓発活動(平成29年1月~4月)
- 1)一般用ホームページへの問い合わせ件数 11件
- 2)一般用ホームページ新規掲載事項 10件(トピックス3件)
- 3)電話対応 7件
- 4)漢方啓発セミナー
- ①第68回東洋医学会学術総会における市民公開講座
4月4日 日漢協ホームページに開催案内を掲載
会員会社にリンクの依頼 - ②第20回日漢協市民公開漢方セミナー
4月5日 麻布ミューズクリニック 院長 玉田真由美先生を訪問し講師依頼 - マスコミへの対応
- 1)1月から4月にかけて13件対応した。
(うち、8件「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」への参加依頼) - 2)NHKエンタープライズ、Eテレ「TVシンポジウム」番組作成
- 3)日経新聞(厚労記者会)「役割高まる漢方」というタイトルの医療記事企画
- 4)読売新聞(熊本)生薬栽培に関する取材
- 5)薬事日報「薬用作物の産地化に向けた地域相談会」企画
- 6)「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」
2月9日「フォーラム」 出席記者 25社(35名)5社掲載 1社TV番組放映
3月17日「提言書発表説明会」 出席記者 13社(16名)3社掲載
3月17日「日漢協講演会」 出席記者 9社(9名) - 制作物
- 1)ニューズレターNo.99を発刊
- ホームページ企画部会活動
- 1)日漢協HPにトピックス6(公式HP 3件)記事掲載
- 2)日漢協HPリニューアル検討
- その他
- 日漢協関連記事・番組およびHP更新などについて、事務局を通じて会員会社の窓口担当者に39件の情報提供を実施した。
日漢協事務局
日漢協事務局一同
千葉大学大学院薬学研究院 遺伝子資源応用研究室 齊藤 和季 教授
薬用植物のゲノム機能解明とバイオテクノロジー
未来志向型大学
「つねに、より高きものをめざして」を理念とする千葉大学は、先進科学プログラム(飛び入学)を取り入れたり、未来志向型の大学として知られています。その歴史は明治5年(1872)に開設された印旛官員共立学舎に遡り、以後、さまざまな変遷を経て、昭和24年(1949)、千葉医科大学、同大学附属医学専門部及び薬学専門部、千葉師範学校など千葉県内にあった7つの学校が包括され千葉大学が発足しました。
現在、昨年4月にグローバル人材の育成を目的に開設された国際教養学部を含め、文、法政経、教育、理、工、園芸、医、薬、看護の10の学部を擁しています。キャンパスは西千葉、亥鼻、松戸、柏の葉の4か所にあり、約15,000人の学生が学んでいます。
前身は第一高等中学校医学部薬学科
齊藤和季 教授
研究室の皆さん
亥鼻キャンパス正門
わが国でも指折りの長い歴史と伝統を誇る薬学部は6年制の薬学科と4年制の薬科学科から成っています。定員はそれぞれ40名、一括入試によって入学者が決定され、3年進級時に4年制か6年制かを選択します。
同学部が他大学の羨望の的になっているのが「亥鼻IPE」。これは医学部、薬学部、看護学部の3学部が必修科目として設けている専門職連携教育(Interprofessional Education)で、異なる専門職が互いを尊重し合いながら共に学び、互いから学び、互いを学んでいくプログラムです。1年次から3学部が合同で学び、互いに切磋琢磨しています。
研究組織は3研究部門、5講座から成り立ち、22の研究室、2つの連携協力講座、1つの寄付講座が研究活動を行っています。
千葉大学の薬学部と言えば、かねてから定評があるのが生薬、天然物、薬用植物関連の研究です。その伝統の通り遺伝子資源応用研究室の他に生体機能性分子研究室(髙山廣光教授)と活性構造化学研究室(石橋正己教授)があり、それぞれ意欲的に研究に取り組んでいます。
同大学では「千葉大学戦略的重点強化プログラム」と称して6つのプログラムを推進していますが、その1つとして採択されたのが「ファイトケミカル植物分子科学」と題するプログラムで、齊藤和季教授が推進責任者となっており、髙山教授らと着々と研究を進めています。
甘草のゲノム解読に成功
遺伝子資源応用研究室は、もともとの名称は生薬学研究室でした。生薬学、植物化学・生化学、未開拓薬用資源開発に加えて植物分子遺伝学とバイオテクノロジーの研究に着手していましたが、平成6年(1994)に薬学部附属薬用資源教育研究センターの設立と同時に誕生。その後、平成13年の大学院拠点化に伴う改変などを経て、今日の生命薬学研究部門ゲノム創薬学講座に属する研究室となり、齊藤和季教授を筆頭に山崎真巳准教授、吉本尚子助教、外国人特任助教、技術員、ポスドク各1名、博士課程大学院生3名、修士課程大学院生5名、学部生12名の26名で研究に勤しんでいます。同研究室の目的はゲノム科学・ポストゲノム科学や分子生物学・バイオテクノロジーの進歩を基礎としての①薬用資源植物における物質生産をはじめとする有用遺伝形質の遺伝子レベルでの解明②この知見をもとにした植物の遺伝子改良研究の成果として昨年の秋には生薬「甘草」のゲノム解読に成功し、大いに注目されました。最近、話題になっているのが齊藤和季教授が著した『植物はなぜ薬をつくるのか』(文春新書)です。
中長期事業計画2012(5ヵ年計画)の成果
- 原料生薬の品質確保と安定確保の推進
- ・「薬用植物残留農薬検討会」(座長:川原信夫先生)で農薬の残留上限値のとりまとめに協力
- ・会員会社に残留農薬に関する調査を実施し、結果をまとめた論文が生薬学雑誌に掲載
- ・日局原案審議委員会および局外生規検討委員会に委員を派遣
日局十七に5品目が新規収載(合計33品目収載)
局外生規2015に14品目が新規収載
日局既収載生薬の見直し、6品目が規格変更
日局の一般試験法について国際調和法に準じた改訂案等を提出、日局十七に収載 - ・生薬管理責任者の育成を図るため研修会を実施、42名に修了書を授与
- ・厚労省、農水省、日漢協で「薬用作物に関する情報交換会」開催
- ・これを受け「薬用作物の産地化に向けたブロック会議(全国8ブロック)」3年間開催
- ・34団体・個人とのマッチングが成立
- ・全国農業改良普及支援協会と「薬用作物産地支援協議会」を設置
- ・事前相談窓口を設置、全国8カ所で地域相談会を開催
- ・原料生薬使用量等調査、中国産生薬の価格指数調査を実施
- ・日漢協GACP「薬用植物の栽培と採取、加工に関する手引き」をまとめる
- ・農水省「薬用作物産地支援体制整備事業」の栽培技術研修会に参画し、演者を派遣
- ・中国で使用されている農薬の使用実態を調査し、生薬学雑誌に投稿
- ・日薬連ワシントン条約関係連絡会に委員を派遣
- 一般用漢方製剤・生薬製剤等の開発と育成活動の強化
- ・「一般用漢方製剤承認基準」平成22年から平成24年までに81処方追加(294処方)
- ・漢方エキス製剤の日局収載時Q&A発出にあたり、医薬品審査管理課およびPMDAと調整
- ・「一般用生薬・生薬製剤を活性化するための要望書」を一般薬連から厚労省に提出
- ・生薬製剤等に配合されている単味生薬エキスの記載整備の考え方を会員会社に周知
- ・局外生規2015の検討WGおよび検討委員会に参加
- ・AMED研究の「単味生薬班」に参加
- ・「生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンス」作成に協力
- ・「安全に使うための漢方処方の確認票」シート作成協力により39処方のシート完成
- ・上記確認票の実用化調査を行い評価確認、また、JAPANドラッグストアショーで一般消費者に周知活動を実施
- ・「一般用漢方製剤 相談事例集Q&A」発行
- ・一般用漢方処方承認基準から領域ごとに使用促進資料を作成(10数領域)
- ・「一般用漢方薬情報シート(英語版)」作成(繁用11処方)
- 漢方製剤等の安全性確保と適正使用の推進
- ・医療用漢方製剤の「使用上の注意」の統一改訂を12回行い、適正使用情報を配信
- ・「一般用医薬品添付文書記載要領ガイドブック」改訂版の発行に編集委員として参画
- ・MR漢方教本の教育用スライドと、処方学習用DVDを作成
- ・MR漢方教本Ⅱおよび学習確認用のドリルを改訂、会員専用ページに掲載
- ・「医療用医薬品添付文書の記載要領」改正に向けて、行政・業界検討グループに委員を派遣
- 漢方製剤・生薬製剤・生薬に関するエビデンスデータの集積
- ・「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)2013」「EKAT Appendix2014」「EKAT Appendix2015」を公開
- ・「漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン(KCPG)2013」「KCPG Appendix2014」「KCPG Appendix2015」を公開
- ・「医療用漢方製剤 添付文書情報」の公開と改訂
- 漢方製剤・生薬製剤・生薬の国際調和と国際交流
- ・訪中団が中国政府機関等へ訪問し、情報交換を緊密に行うことが重要であるとの認識を共有
- 国内外の関係会議(ISO/TC249、Access and Benefit-Sharingなど)に委員派遣、情報発信
- ・中医薬の国際標準化案において、漢方製剤等に関わる検討情報を入手し、国際対応WGで検討
- ・厚労省、国立衛研などの関係機関に指導を仰ぎ、JLOM主催の国内委員会等に参画
- ・環境省主催の「名古屋議定書に係る国内措置のあり方検討会」に委員を派遣
- ・バイオインダストリー協会主催の「生物多様性条約総合対策事業タスクフォース委員会」に委員を派遣
- ・2014年 有識者を集め、日漢協主催の勉強会を開催
- ・漢方GMPをPIC/Sと整合性を合わせる検討に協力
- ・「生薬及び漢方生薬製剤の製造管理および品質管理に関する基準」(日薬連自主基準)発出
- ・ICH(医薬品規制調和国際会議)に対応する製薬協の検討に参画
- ・FHH(生薬・薬用植物に関する国際調和のための西太平洋地区討論会)にて情報提供
- 医療関係者および患者・消費者などに対する啓発活動の強化
- ・日本東洋医学会学術総会において学会と共催による市民公開講座を実施
集客、受付、資料提供など協力し、5年間で約1,600人の一般市民が参加 - ・協会単独開催の市民公開漢方セミナーでは、5年間で約1,400人の一般市民が参加
- ・2016年小冊子「漢方で すこやか生活」を作成し、会員会社のイベントを通じて約7,000部配布
- ・コンテンツ整理とユーザーが必要とする情報にたどり着きやすいよう、マイナーチェンジを実施
- ・報道やWebサイトにおける漢方医学・漢方薬の誤認識を正すため、報道各社担当者と面談
- ・会員専用ページとスケジューラーの利便性向上のため新システム導入
- ・協会活動内容および協会関連記事等の情報発信の充実
- 日漢協としての団体活動の強化
- ・医薬品医療機器等法施行に伴い、安対課の指導のもと医療用刻み生薬の被包届出運用の仕組みを作成
- ・日漢協創立30周年記念プロジェクトを設置し、式典開催や記念史制作等を実施した
- ・東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う補償問題検討チームを設置し対応した
- ・医療用漢方製剤等の存続と持続的な成長により、国民の医療向上に寄与し、業界の健全な発展を目的に保険薬価協議会を設置
- ・「原料生薬価格の変動に連動する新たな再算定ルール」の提案
- ・「国民の健康と医療を担う漢方の将来ビジョン研究会」を東洋医学会と共催で立上げ、3回の研究会を経て提言書をまとめるフォーラムを開催し、産官学連携のもと諸問題を解決し国民医療への貢献を一層推進していく気運の醸成
- ・医薬品産業ビジョンについて、漢方製剤等の主要な将来的な課題を検討し、結果を当局に提出
- ・厚労省作成の「医薬品産業強化総合戦略」に漢方薬の役割と原料生薬栽培について記載
- ・協会を取り巻く環境変化に対応するため、30の規程・内規等を制定・改正した
- ・総務委員会内に「環境部会」設置
- ・日薬連環境委員会に参加
- ・日薬連低炭素社会実行計画のWGおよび日薬連循環型形成自主行動計画WGに参加
- ・「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」および「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドラインおよび患者団体との協働に関するガイドライン」を制定
- ・「日漢協コード・オブ・プラクティス」制定
- ・「日漢協企業行動憲章」および「日漢協コンプライアンス・プログラム・ガイドライン」制定
(1)原料生薬の品質確保の強化
(2)原料生薬の安定確保の推進
(1)一般用漢方製剤承認基準への対応を図る
(2)原料生薬の安定確保の推進
(3)一般用漢方製剤・生薬製剤および生薬の許認可に関する対応を推進する
(4)原薬エキスの規格・試験の設定に関し適確に対応推進する
(5)一般用医薬品の販売制度に関連した調査研究を推進し、関係団体として協力して対応する
(1)安全性情報の会員会社間における一層の共有化を図り、会員各社の安全対策を強化する
(2)一般用漢方製剤「使用上の注意」に関する指針となる小冊子を作成する
(3)会員会社の医薬情報担当者(MR)に対して安全性に関する教育を徹底する
(4)「医療用医薬品添付文書の記載要領」の検討を行う
(1)漢方製剤・生薬製剤・生薬に関するエビデンスデータを幅広く集積し、日本東洋医学会が推進する臨床エビデンスレポートのまとめや、エビデンスデータの国内診療ガイドラインへの反映作業に協力する
(1)関係国(特に中国)と定期的国際交流を図り、相互理解と関係向上に努める
2012年 | 中国医薬健康産業股份有限公司訪日団と交流 |
2013年 | 中国医保商会を中心とした訪日団と交流 |
中国医薬健康産業股份有限公司訪日団と交流 | |
2014年 | 訪中団中国政府機関等7団体と交流 |
2014年 | 中国甘粛省農業科学院訪日団と交流 |
2015年 | 中国医保商会を中心とした訪日団と交流 |
2016年 | 訪中団中国医保商会傘下の企業と交流 |
(2)国際的な情勢を把握、解析し、各委員会と協力し、会員へ情報を発信する
(3)ISO/TC249への対応を行う
2012年 | 第3回本会議(韓国)、WG2会議(ドイツ2回)、臨時会議(中国) |
2013年 | 第4回本会議(南アフリカ)、WG1会議(中国)、WG2Web会議、打合せ会議(韓国) |
2014年 | 第5回本会議(日本)、WG2Web会議、WG2会議(ドイツ)、 本会議において、漢方製剤の現状、安全性等についてパネル展示 |
2015年 | 第6回本会議(中国)、WG2Web会議 |
2016年 | 第7回本会議(イタリア)、WG1第8回会議(中国) |
(4)生物多様性条約、特にABSなどの国際的対応を行う
(5)PIC/Sなどの国際的対応を行う
(6)三極の局方調和(ICH)やFHHなど、国際調和の動向に適確に対応する
(1)対象者や内容、開催時期などを工夫して効果的な講演会・セミナー等を実施する
(2)日漢協ホームページを活用して、患者・消費者などに対する啓発活動を一層推進する
(3)漢方、生薬製剤、生薬などの用語解説を含めた業界PRツールの作成と、それを用いた啓発活動を展開する
(4)日漢協HP、会員専用ページおよびニューズレターの活用用途を明確にし、効果的な情報提供を推進する
(1)日漢協が漢方製剤・生薬製剤・生薬を代表する団体となるべく、その活動を強化するとともに、日薬連など関係諸団体との連携強化を図っていく
(2)新医薬品産業ビジョンとそのアクションプランに対し、適確な対応を図る
(3)事務局機能を強化するとともに、組織機能の充実を図る
(4)会員会社の環境意識を高め、環境活動を推進する
(5)会員会社のコンプライアンス意識を醸成し高い倫理観をもって行動推進する
漢方製剤をめぐる現状
私の健康法 日本東洋医学会 佐藤弘会長
日ごろから身土不二を実践
大塚恭男先生、松田邦夫先生、矢数道明先生の三人の先生に教わり、代田文彦先生に大きな影響を享けました |
●良き師、良き友に恵まれ
日本東洋医学会が呱々の声をあげたのは、戦後の混乱期から復興期にさしかかった1950年(昭和25年)だった。記録に拠れば、その年の3月12日、慶應義塾大学医学部北里記念図書館で創立総会が開かれている。創立当時の会員数は99名といわれ、年会費は300円だった。会員数が9000名を超える今日とは隔世の感があり、歴史の重みが感じられる。個性派ぞろいと言われる日本東洋医学会の第21代目の会長に就任したのは、2015年(平成27年)6月12日、間もなく3年目を迎える。「漢方医学をEBMの観点からばかりでなく、漢方医学の特徴や将来の医学・医療に果たす役割をも追求していきたい」とする手腕に内外から少なからぬ期待を寄せられている。
東洋医学(漢方)との出会いは大学入学前の浪人中に腰痛を患ったのがきっかけだった。「コルセットを付けたりするのは楽ではなかったものですから、母の友人から鍼灸院を紹介されました。直後効果というか、治療をすると体が軽くなるんですね。たまたまその治療師の机の上に『傷寒論』があり、借りて読んでみました。よく解りませんでしたが、そんなこともあって、大学に入学した頃から将来は東洋医学をやろうと漠然と思っていました」
学生時代は東大闘争の最中で、バリケードストライキのため授業もなく、余り勉強をしなかったというよりもできなかった。以来、半世紀、漢方と共に歩み今日に至っている。「思えば、良き師、良き友に恵まれ、とてもラッキーでした」
●食いしん坊でお酒が好き
現在、東京女子医科大学名誉教授の傍ら新潟医療福祉大学医療経営管理学部教授として東京と新潟でほぼ半々の生活を過ごしている。日々の起床は6時から6時半、就寝は12時から遅い時は2時頃で、早寝早起きならぬ遅寝早起きが常態となっている。この4月に古稀を迎えたばかりだが、30代の半ばの時にぎっくり腰になり、動けなくなったことが何回かあった。近年では変形性膝関節症に悩んだりしているものの内臓器官の病気に罹ったことはなく、おおむね健康を保っている。
食いしん坊を自任しているだけあって食べ物に好き嫌いはない。特に好んでいるのが魚で、新潟では行きつけの魚屋さんに買い出しに行くのを楽しみにしている。「白身の魚も烏賊もおいしいですし、マグロもいいのが入るんです。獲れたての魚って美しいですね。なかでもノドグロの赤はこんなにきれいなのかと感激しています。調理はあまりしませんが、時にカレイの煮つけを作ったりすることがあります」
健康法と言えば、野菜も旬の地元産に拘り、できるだけ自炊を心掛けている。「身土不二を実践し、楽しく食事することにしています」
食いしん坊に付き物はお酒。「よほど調子が悪い日以外は欠かしません。麦酒500mlを2本かワインなら1本ですね」
お酒好きは生誕の地の秋田のお祖父さん譲りとか。先人の知恵通り百薬の長になり、趣味のオペラ鑑賞が健康を支えている。
プロフィール
1947年(昭和22年)4月22日、秋田県横手市生まれ。 1967年東京都立戸山高校卒業、1974年東京大学医学部卒。 1977年同大第三内科入局、肝臓病学を専攻。 1985年東京女子医科大学附属第二病院内科助手。 1992年同大東洋医学研究所助教授。 2004年に教授、2005年に同所長。 2013年から新潟医療福祉大学医療経営管理学部教授。